2013年10月18日

グランドマスター

〈2013年映画感想27本目〉


グランドマスター
一代宗師
2013年 香港・中国・フランス 123分
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ゾウ・ジンジ,シュー・ハオファン,ウォン・カーウァイ
配給:ギャガ
出演:トニー・レオン,チャン・ツィイー,チェン・チェン,マックス・チャン,ワン・チンシアン,ソン・ヘギョ,チャオ・ベンシャン,シャオ・シェンヤン

 日中戦争前夜の中国を舞台とした伝説的な拳法家たちの運命の交錯を描いた功夫伝記映画です。鑑賞前は割とありがちな功夫アクション映画だと思っていたのですが,蓋を開けてみれば寧ろ伝記映画としての側面の方が色濃く出ていたように思います。主人公はブルース・リーの師としても名高い葉問。中国拳法の統一を使命とした彼を中心とした全篇功夫アクションという期待は裏切られましたが,拳法家たちの軌跡を描いた伝記映画としては非常に楽しめました。予想とは違いましたが,功夫アクションはそれなりに多く見どころは充分。何よりも八卦掌の達人である宮若梅と日本軍に寝返った馬三との決闘は秀逸。雪が舞い散る中での死闘に加えて,鉄道の駅が戦場となることでの仕掛けがたまらなく楽しい。何と言っても戦いの見せ方が非常に上手いのですよね。このあたりは存分に満足いたしました。如何にも宿命の敵であると思われた馬三が葉問と一度も拳を交えることがないという物語は謎でありましたけれども。如何にも曰くありげに登場したカミソリこと一線天に至っては物語の根幹に微塵も絡むことがないという潔さ。何の為に登場したのかさっぱり分かりません。何はともあれ,宮若梅役のチャン・ツィイーの凛とした美しさと葉問役のトニー・レオンの骨太な格好良さは素晴らしいものがありました。事前の期待とは異なる印象ではありますが,それはそれとして楽しめた作品ではありました。要するに予告篇の作り方に問題があったのかなあと思います。
posted by 森山 樹 at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)