2013年12月10日

エリジウム

〈2013年映画感想46本目〉


エリジウム
ELYSIUM
2013年 アメリカ 109分
監督:ニール・ブロムカンプ
配給:コロンビア映画
出演:マット・デイモン,ジョディ・フォスター,シャールト・コプリー,ヴァグネル・モーラ,アリシー・ブラガ,ディエゴ・ルナ,エマ・トレンブレイ,ブランドン・オーエット,ジョシュ・ブラッカー,ウィリアム・フィクナー

 『第9地区』で一躍その名を馳せたニール・ブロムカンプ監督によるSF映画。南アフリカにおける民族差別を地球人と宇宙人の関係に置き換えた『第9地区』同様に,本作でも貧困層が暮らす地球と富裕層が暮らす衛星軌道上の楽園エリジウムとの対比を行うことで格差社会における医療問題を取り上げているように思われます。但し,その試みが上手く行っているか否かにはいささか疑問が残るところ。前作の好評を受けて潤沢な資金と大物俳優の起用で話題性は充分となった本作ではありますが,肝心の舞台設定にあまり現実感がないのが残念。何と言うか,世界があまりにも小さく描かれ過ぎている気がするのですよね。地球とエリジウムの描写そのものは結構面白かったのですが,地球を支配するエリジウムがあまりにもあっさりと地上からの侵入者を許し,少人数で制圧されてしまうというのはやはり疑問が残ります。ジョディ・フォスターが演じるエリジウム防衛長官の冷徹非道ぶりは魅力的だったし,シャールト・コプリーが演じる残虐無道な傭兵も個人的にはたまらないものがありました。主人公マックス役のマット・デイモンの存在感も流石のもの。不慮の事故により被曝した後に手術によってその身に装着したエクゾスーツの凶悪ぶりも良かったです。そのマックスに協力する地球の闇商人スパイダー一家も楽しかった。ただ,物語としては悪くはないものの,それ程求心力がないのも事実。最後まで舞台設定に対する違和感を引き摺ったままであったように思います。前作が『第9地区』であったというのが本作の最大の不幸なのかもしれません。単体で見れば,SF映画としてはそれ程悪くない出来の作品であるかと思います。
posted by 森山 樹 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)