2014年05月07日

ザ・イースト

〈2014年映画感想12本目〉
ザ・イースト
THE EAST
2013年 アメリカ 116分
監督:ザル・バトマングリッジ
配給:20世紀FOX
出演:ブリット・マーリング,アレキサンダー・スカルスガルド,エレン・ペイジ,パトリシア・クラークソン,トビー・ケベル,シャイロー・フェルナンデス,オルディス・ホッジ,ジェイソン・リッター

 環境テロリスト集団に潜入した女性捜査官の葛藤を描く社会派サスペンス映画。題名となっている“ザ・イースト”とはその環境テロリスト集団の名前を指します。ザ・イーストの環境を守る為には犯罪を辞さないという行為は自分の理解の範疇を越えているのが辛い。カルト宗教的な側面も徐々に有し始めていく姿は寧ろ或る種のホラー映画にも感じました。最初は正しい目的を持った集団が狂気を帯びていき,引き返せないところまで行ってしまうというのが怖い。そんなザ・イーストの指導者ベンジーに共感を覚えていく元FBI捜査官ジェーンの葛藤が物語の中心となります。潜入捜査ものということで正体が何時ばれるかという緊張感が終始漂っているのは素敵。興味深いのはジェーンが所属する調査会社,その調査会社に調査を依頼する大企業,そして潜入調査の対象となるザ・イーストの三者全てに倫理的な非があるということ。それぞれへの強烈な不信感が物語を単純な勧善懲悪ものからは一線を画す作品へと導きます。ザ・イーストそのものへ共感することは到底無理なのですが,残る二者の胡散臭さも大概なのですよね。これがアメリカ社会の実情の一端ということなのでありましょうか。最終的には諜報活動の民間化とそれに伴う情報拡散にまで主題の提示が広がるというのも面白い。社会問題に怒りを込めて提起するという試みは大変楽しいものがありました。残念だったのはジェーンとベンジーの恋愛劇が無意味に挿入されているということ。この件は不要だったように思います。何はともあれ,普段は鑑賞しない種の作品ということで楽しませて頂きました。今後は鑑賞の幅を広げる意味でも徐々に触れて行きたいと思います。
posted by 森山 樹 at 06:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)