2010年11月23日

マチェーテ

〈2010年映画感想39本目〉
マチェーテ
MACHETE
2010年 アメリカ 105分
監督:ロバート・ロドリゲス,イーサン・マニキス
脚本:ロバート・ロドリゲス,アルヴァロ・ロドリゲス
配給:SPE
出演:ダニー・トレホ,ロバート・デ・ニーロ,ジェシカ・アルバ,リンジー・ローハン,ミシェル・ロドリゲス,ジェフ・フェイヒー,チーチ・マリン,スティーヴン・セガール,ドン・ジョンソン

 ロバート・ロドリゲス監督による悪趣味アクション映画です。2007年に上映された『グラインドハウス』で使われた偽予告篇の本篇とのことですが,『グラインドハウス』を鑑賞していないので語る術を持ちません。やたらと豪華な出演陣が実に魅力的。悪ふざけの産物としては最高の作品と言えるでしょう。ちなみにロバート・ロドリゲス監督の従兄弟でもあるダニー・トレホは今作が初主演とのこと。

 罠にはめられて全てを失ったメキシコ連邦捜査官マチェーテの壮絶な復讐劇を描くアクション映画です。基本的には全篇が血と暴力で彩られた悪趣味な作品ではありますが,この手の作品を好む類の困った映画好きにとっては御褒美のような作品と言えるでしょう。目を背けたくなる凄惨な場面も多いのですが,それを最早諧謔の域にまで昇華させているのが素晴らしい。物語としては適当で御都合主義的な部分も多いのですが,雰囲気を味わう類の映画ですので問題はありません。それでも,アメリカに流入するメキシコ移民の問題を扱うなど社会派な印象もあります。ただ,やはり鑑賞後に残るのは爽快なまでに外連味溢れるアクションの数々。特にマチェーテを演じるダニー・トレホの暴れっぷりがたまりません。ダニー・トレホによるダニー・トレホの為の映画と言っても過言ではないでしょう。その名の由来ともなった山刀を始めとする様々な武器を駆使して敵対者を薙倒していく様が実に格好いい。その独特の魁偉な容貌に愛嬌さえも感じてしまいます。対するはロバート・デ・ニーロ演じるメキシコ移民を弾圧する上院議員やスティーヴン・セガールが演じるメキシコの麻薬王トーレス。このふたりの大物俳優の適当な扱いも楽しい。完全にダニー・トレホの引き立て役です。それはそれでいい味を出してはいるのですけれど。

 個人的にはジェシカ・アルバ,ミシェル・ロドリゲス,リンジー・ローハンと綺麗どころの女優が3人も登場するのが嬉しい。そしてその3人がともにダニー・トレホに負けず劣らずの逞しさで楽しませてくれます。特に女革命戦士ミシェル・ロドリゲスの格好良さは格別。中盤で一時的に退場するのですが,最終盤の決戦時に脈絡もなく復活し大暴れ。その際に右目を眼帯で覆った姿が凛凛し過ぎます。やっぱりミシェル・ロドリゲスは大好きだなあ。ジェシカ・アルバは徐々にマチェーテに惹かれていくI.C.E.捜査官。こちらはその美貌に心奪われます。アクション場面はミシェル・ロドリゲスよりも控えめですが,容姿はジェシカ・アルバのほうが好みかなあ。色っぽい場面も用意されています。色っぽい場面と言えば,惜しげもなく豊満な胸を露出しているリンジー・ローハンも忘れられません。というか,マチェーテは女性にもて過ぎです。寡黙な職人肌の格好良さは確かに魅力的なのですけれど。ちなみにリンジー・ローハンが演じるのはロバート・デ・ニーロが演じる上院議員の娘役。如何にも上流階級のアメリカ女性らしい頭の悪さがたまらなく魅力的。そして終盤で見せる尼僧の姿をしての銃撃場面が素敵過ぎます。彼女の醜聞を利用した悪趣味な演出が実にこの作品に似つかわしく思えます。

 まさにB級映画の中のB級映画と呼ぶに相応しい作品でしょう。無闇に豪華な出演陣も大変に魅力的ですが,やはり何といってもダニー・トレホの存在感に勝るものはありません。1分間に2〜3人が殺される悪趣味極まりない作品ではありますが,後味の爽快感は格別のもの。残酷描写に耐性のある方であれば心底楽しめる作品だと思います。自分はあまり耐性がないので目を背ける場面は多かったけれどね。

 余談。唯一の不満を挙げるならばパンフレットが用意されていないこと。これは残念で仕方ありません。ちなみにエンドクレジット中に次回作,次次回作の題名予告が為されるのですが,その制作を期待したいと思います。日本ではともかく世界的には結構評判が良いようです。
posted by 森山 樹 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(1) | 感想(映画館)
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