2011年09月11日

SUPER 8

〈2011年映画感想22本目〉
SUPER 8
SUPER 8
2011年 アメリカ 111分
監督:J.J.エイブラムス
脚本:J.J.エイブラムス
配給:パラマウント映画
出演:ジョエル・コートニー,エル・ファニング,ライリー・グリフィス,ライアン・リー,ガブリエル・バッソ,ザック・ミルズ,カイル・チャンドラー,ロン・エルダード,ノア・エメリッヒ,グリン・ターマン,ブルース・グリーンウッド

 1979年を舞台とした少年たちの冒険を描いたSFジュブナイル映画です。プロデューサーに名を連ねるスティーブン・スピルバーグの『未知との遭遇』や『E.T.』を想わせる描写が随所に見られるのが特徴的。これらのSF映画群へのオマージュでありトリビュートである作品ですので,鑑賞したことがあればより楽しめるかと思います。無論,未鑑賞だからと言って楽しめないわけではありませんけれども。

 自主制作映画を撮影していた少年たちが出逢った奇妙な事件の顛末を描いたSF映画です。因みに題名の“スーパー8”とは少年たちが映画撮影に使っていたスーパー8mmカメラのこと。この自主製作映画撮影が作品の大きな主軸となっています。というよりも,予告篇ではこのあたりを強く印象付けておいて少年たちの一夏の想い出を描く物語かと従前は思っておりました。例えば『グーニーズ』や『スタンド・バイ・ミー』に類する映画です。ところが蓋を開けてみれば,少年たちの街を襲う奇怪な事件の真相が予想の斜め上をいっていました。いやまあ,あれはあれで面白かったのですけどね。住民の失踪や飼い犬の脱走,更には相次ぐ停電と日常が非日常に遷移していく雰囲気が実に楽しい。この原因である宇宙人の造形も個人的にはかなり好み。愛嬌とか可愛らしさなど全くない,寧ろ恐怖の対象としか思えない容貌が格好いいです。例えるならば,凶悪化したE.T.の成体といった趣でしょうか。少年たちによる自主映画撮影から街に忍び寄る非日常の足音,そしてアメリカ空軍と宇宙人の対峙と作品の雰囲気を鮮やかに変えながら,それでも最後は感動させる結末を迎えるあたりが上手い。ただ,冷静に考えてみると街での犠牲者はかなりの数に上っていることが想像できるわけで,安易に感動するのもどうかという気はします。それでも宇宙人が宇宙船で地球を離れる場面の美しさは特筆もの。そして,溝のあった親子の和解もまたひとつの題材であると言えます。序盤の列車衝突事故の圧倒的な迫力も素晴らしかったですけれども。

 主人公ジョー・ラムは14歳の平凡な少年。但し,事件の四ヶ月前に事故で母親を失ったことが彼に暗い影を落としています。保安官である父との関係も上手く行ってない模様。但し,手先は器用でプラモデル製作が趣味というのが少年らしい。結果的に映画撮影の中心を担うことになります。そのジョーに惹かれて行く少女アリスを演じるのはダコタ・ファニングの妹エル・ファニング。既に姉を凌ぐ活躍を見せている新進の女優のようですね。確かに輝くような魅力を感じます。自動車を運転するなどの活躍も素敵。但し,こちらも親との関係が上手くいっていません。何よりも父がジョーの母親の事故死の原因となったことによる罪悪感が彼女を縛りつけています。この二組の親子の心の拘束が如何に解かれるかもこの作品の見どころのひとつと言ってよいでしょう。危険を顧みず子供たちを救う為に疾走するふたりの父親の存在が熱いです。後は映画製作の指揮を執るチャールズや爆発物好きのケアリーあたりは目立っていましたね。特にケアリーの異常な存在感が素敵。片想いするアリスを巡ってジョーと諍いを起こすチャールズにも甘酸っぱいものを感じます。彼らが撮影した自主製作のゾンビ映画は一番最後のトレーラー部分で鑑賞出来ます。これが存外に出来が良くて楽しい。古き良き時代の映画撮影が素敵です。

 事前の予想とは大分当てが外れましたが,結果的にはかなり満足出来た映画でした。思えば,この映画製作の第一報時には『クローバーフィールド』の続篇か前日譚になるという報道も為されていたのですよね。それを鑑みれば,この内容に特段の不思議さは感じません。何はともあれ,スティーブン・スピルバーグ系統のSFジュブナイル映画好きにはたまらない作品かと思います。個人的には充分に楽しむことが出来ました。思わず懐かしい郷愁に想いを馳せ,自分の少年時代を投影する素敵な映画でした。
posted by 森山 樹 at 22:31| Comment(0) | TrackBack(1) | 感想(TV放映)
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