2011年12月03日

グリーン・ランタン

〈2011年映画感想28本目〉

グリーン・ランタン
GREEN LANTERN
2011年 アメリカ 114分
監督:マーティン・キャンベル
脚本:グレッグ・バーランティ,マイケル・グリーン,マーク・グッゲンハイム,マイケル・ゴールデンバーグ
配給:ワーナー・ブラザーズ
出演:ライアン・レイノルズ,ブレイク・ライヴリー,ピーター・サースガード,マーク・ストロング,アンジェラ・バセット,ティム・ロビンス

 DCコミックを原作とするSFアクション映画。アメコミにはまるで造詣が深くないのですが,DCコミックはマーベル・コミックと並ぶ二大出版社なのですね。〈スーパーマン〉や〈バットマン〉がDCコミックの代表ですが,この〈グリーン・ランタン〉も1940年から始まる由緒正しいスーパーヒーローのようです。いずれにせよ,アメコミ原作の映画は大好き。今後も鑑賞しようと思います。

 宇宙警察機構グリーン・ランタンの一員に選ばれた戦闘機乗りハル・ジョーダンの活躍を描くSFアクション映画です。基本的には正統派の特撮作品。設定さえ把握すれば,何も考えずに楽しむことが出来ました。面白いのはパワーリングに選ばれ,グリーン・ランタンの一員となったハルがそれを友人や恋人には隠そうとしないところ。スーパーヒーローとは素性を明かさないものという先入観から新鮮に感じました。また,グリーン・ランタンが宇宙警察機構ということで地球人以外の様々な姿をした宇宙人たちの共同体というのも興味深い。ただ,殆どが人間型の宇宙人というのは面白味に欠けますね。全宇宙の守護を名乗るのであれば,非人間型の宇宙人も多くいそうな感じがします。一方で最大の敵となるパララックスの造形は凶悪に格好良かった。深宇宙から飛来する姿はちょっとクトゥルー神話の邪神の印象を想起させます。圧倒的な力で地球を侵略する災厄とでも言えばいいのでしょうか。倒したグリーン・ランタンを飲みこみ新たな力を得る姿は最強最悪の敵という名に相応しい。まあ,そのパララックスを打ち破ってしまうハル・ジョーダンの意志の力は更に凄いということになりますけれど。ただ,この辺りは説明不足が否めないところ。グリーン・ランタンにおける伝説の戦士で,かつてパララックスをも封印したアビン・サーのパワーリングを継承したからという理由だけでは弱い。作中ではパララックスの持つ恐怖に因る力=イエロー・パワーを克服する力を持つと説明されていましたが,それはハル・ジョーダンの特有の力には思えないのですよね。仮にもグリーン・ランタンに選ばれた人物であれば大なり小なり持っていそうな気がします。このあたりは御都合主義かなあ。まあ,気にしなければ気にしないで済む部分ではあります。典型的なヒーロー映画と思えば問題はないですね。

 ハル・ジョーダンを演じるのはライアン・レイノルズ。ハル・ジョーダンは無謀で思慮に欠ける点があまり好みではないかなあ。それでも恐怖を克服してパララックスに立ち向かう場面は格好良かった。最初は頼りなかったハルがヒーローとして成長する姿は良かったです。グリーン・ランタンとしての装束は微妙。というか,あんなマスクでは誰が見たって正体は明らかですね。そのハル・ジョーダンの恋人キャロル・フェリス。あまり作中での印象はないけれど美人は美人です。ハルとのやり取りは面白かった。彼女を救うと言うのがハルのヒーローとしての働きの原点でもあるので重要な存在ではあります。ハルが所属する会社の次期社長という設定も面白かった。そのキャロルに想いを寄せ,ハルに敵意を抱くのがピーター・サースガードが演じるヘクター・ハモンド博士。パララックスの細胞を浴びて異形に変容してハルと対峙することになります。個人的には変容する前の姿が実に好み。神経質そうな雰囲気がたまらなく良い。異形化してからは歪んだ心が実体化したかのような醜い姿となってしまいます。如何にも小物といった変容する前の姿でいて欲しかったなあ。ハルを導く,アビン・サーの愛弟子で最強戦士のひとりシネストロを演じるのはマーク・ストロング。当初はハルを認めずに厳しく当たる鬼教官が最後にはハルに助力すると言う典型的な存在です。パララックスを倒す為にパララックスの力の源であるイエロー・パワーを使おうとするあたりに危うさを感じてしまいます。まあ,マーク・ストロングが演じている時点で単なる正義のヒーローではないのですけれど。エンドロール後の演出は蛇足だったような気がします。そこに到る必然性がきちんと語られていないのだもの。

 何も考えずに楽しむことが出来るヒーロー映画です。物語に深みはありませんが,娯楽に徹した作品ではあります。そこに物足りなさがあると言えばあるのですけれども。都合の良すぎる展開が続くので突っ込みどころも満載ですが,この類の作品では気にしたら負けという気がします。少なくとも,幼き日にヒーローの活躍に胸をときめかせた自分には懐かしい想いで鑑賞することが出来た作品でした。偶にはこのように何も考えずに楽しむ作品も悪くないものです。
posted by 森山 樹 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 感想(映画館)
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