2011年12月24日

世界侵略:ロサンゼルス決戦

〈2011年映画感想31本目〉

世界侵略:ロサンゼルス決戦
WORLD INVASION: BATTLE LA
2011年 アメリカ 116分
監督:ジョナサン・リーベスマン
脚本:クリストファー・バートリニー
配給:コロンビア映画/ソニー・ピクチャーズ
出演:アーロン・エッカート,ミシェル・ロドリゲス,ラモン・ロドリゲス,ニーヨ,コリー・ハードリクト,ブリジット・モイナハン,マイケル・ペーニャ

 モキュメンタリー要素を過分に内包したSFアクション映画。今年の特徴でもある宇宙人による侵略映画のひとつでもあります。本来ならば日本公開は4月を予定されていたのですが,東日本大震災の影響で9月まで延期されました。宇宙船の着陸による津波映像などが含まれていたので妥当な判断であったように思います。何はともあれ,公開されたのは重畳でした。

 突如として地球への侵略を開始した宇宙人に対峙するアメリカ海兵隊の精鋭の姿を描いたSFアクション映画です。モキュメンタリー要素も含まれており,臨場感が漂っています。ただ,その分,画面が激しく揺れることもあり,酔ったような気分になってしまうのが難点ですが。当初は3D撮影も予定されていたようですが,結局は断念された模様。今作に登場する宇宙人は圧倒的な科学力をもって人類を殲滅にかかります。特に序盤から中盤にかけての絶望感が素晴らしい。その中でも諦めることなく救出と脱出に全力を挙げる海兵隊の格好良さが満載です。というか,完全に海兵隊の宣伝映画と化しているのが彼処から伝わってきます。戦闘自体はかなり現実感があり,様々な各種兵器の競演が楽しい。宇宙人側の未知の兵器の圧倒的な存在感も素敵。特にあっさりと空軍基地を殲滅してしまった無人航空機や最終局面で登場する巨大な基地が印象深い。宇宙人そのものは機械との融合を思わせる奇怪な姿が魅力的。また,傷ついた僚友を救援する姿も垣間見えて,人間同様の同朋意識を持っていることが窺えます。宇宙人側の事情は全く描かれないのが昨今の風潮ですが,今作も同様です。ただ,彼らの目的が特に水に代表される資源であることは推測されます。また,奇襲によって地球侵略を行ってきたことからも敵対的な意志があることが分かります。人間側の事情だけを描く点からしてもモキュメンタリー的な撮影としたのは正解でしょう。物語としては凡庸ですが,戦闘の臨場感だけでも楽しめました。ひたすらに海兵隊を始めとするアメリカ軍は正義の味方です的な作品ですので辟易する部分がないではないのですが,それも含めてやはり戦闘の高揚感はたまらなく素晴らしい。物語に期待しなければ充分に楽しめると思います。

 主人公マイケル・ナンツ二等軍曹を演じるのはアーロン・エッカート。歴戦の軍人としての精悍な表情が実に格好いい。経験不足のエリート上官を的確に補佐する姿も素晴らしいです。過去に部下を失った経験から必要以上に慎重になっているきらいがしないでもありませんが。そのナンツの上官であるマルティネス少尉役はラモン・ロドリゲス。これが初陣ということもあって頼りなさを感じさせますが,己を身を犠牲にしても部下を護る姿勢が素敵。空軍の生き残りのエレナ・サントス技能軍曹を演じるはミシェル・ロドリゲス。この手の女性軍人役をやらせたら最高ですね。美しさと強さが同居する彼女に惚れ惚れします。最終局面での働きも見事。特に後半は殆ど主役級の活躍を見せてくれました。後は結婚を間近に控えたケヴィン・ハリス伍長やかつてナンツ指揮下で兄を失ったジェイソン・ロケット伍長あたりが主な登場人物。このあたりは如何にも死にそうな設定を背負っているのに最後までしぶとく戦い抜きました。最終決戦に臨む際にただひとりで戦場に赴くナンツに仲間たちが黙って続く姿が実に格好いい。ナンツとそれぞれの隊員の心の軌跡を味わうことが出来ます。定番の展開とは言え,やっぱりこういうのは燃えますね。流石に僅か7人で宇宙人の巨大司令機を撃墜するのはやり過ぎな気もしますけれど。

 モキュメンタリーということで局地的な戦闘に終始するのが臨場感があって楽しい。実際のところは侵略宇宙人との戦いが始まったに過ぎないのですよね。それでもなおアメリカ海兵隊の意地と人間の尊厳を格好良く見せてくれた作品だと思います。物語としては終始予想が出来る凡庸な作品ですが,それを気にさせない演出が優れた作品でした。何よりもミシェル・ロドリゲスの凛凛しい美貌がたまらなく魅力的。個人的には当代で一番好きな女優のひとりといえるかもしれません。それはともかく古き良き戦争映画を彷彿とさせる作品です。その手の映画が好きなら充分に楽しめると思います。

 余談。本作品の元となった1942年のロサンゼルス決戦事件そのものも大層魅力的なのですよね。日本軍の関与も噂されましたが真相は闇の中。未確認飛行物体の目撃証言もある,その筋の趣味者の中では有名な事件です。此方を調べてみるのも面白いと思います。
posted by 森山 樹 at 21:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 感想(映画館)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/52364616
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

世界侵略:ロサンゼルス決戦
Excerpt: 今年流行のエイリアンによる地球侵略映画。ロサンゼルスを舞台に、エイリアンと海兵隊員が壮絶な死闘を繰り広げる。手持ちカメラによる緊迫感溢れる映像には思わず惹き込まれるだろう。主演は『ダークナイト』のア..
Weblog: LOVE Cinemas 調布
Tracked: 2011-12-24 23:31