2011年12月29日

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

〈2011年映画感想33本目〉
三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
The Three Musketeers
2011年 アメリカ/イギリス/フランス/ドイツ 111分
監督:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:アンドリュー・デイヴィス,アレックス・リトヴァク
配給:サミット・エンターテインメント/ギャガ
出演:ローガン・ラーマン,マシュー・マクファディン,レイ・スティーヴンソン,ルーク・エヴァンス,オーランド・ブルーム,ミラ・ジョヴォビッチ,クリストフ・ヴァルツ,マッツ・ミケルセン,ガブリエラ・ワイルド,ジェームス・コーデン,ジュノー・テンプル,フレディ・フォックス

 アレクサンドル・デュマ『三銃士』を原作とした歴史冒険浪漫映画。とはいっても,題名からも分かる通りにレオナルド・ダ・ヴィンチが発案した飛行船が登場するなど,かなり大胆な構成となっています。原作を愛してやまない自分としてはかなり不安感を覚えたのも事実。ただ,その不安を一掃するだけの魅力を備えた正統派の娯楽映画に仕上がっていました。これはこれで満足です。

 17世紀の欧州を舞台に銃士を目指す青年ダルタニャンと三銃士の活躍が描かれる歴史冒険浪漫に溢れた作品です。原作は勿論アレクサンドル・デュマ『三銃士』であることは言うまでもありません。上述のようにレオナルド・ダ・ヴィンチの飛行船が登場するなど,かなり頭の悪い改変が為されておりますが,これが存外に面白い。というのも,ダ・ヴィンチの飛行船以外はかなり原作に忠実な映画化なのですよね。勿論,『三銃士』という長大な物語故に扱われているのはリシュリュー枢機卿の陰謀によって英国のバッキンガム公爵ジョージ・ヴィリアーズの手元に渡されたフランス王妃アンヌ・ドートリッシュの首飾りをダルタニャン達が取り戻すまでのお話。ダルタニャンと三銃士との出逢いは特に原作そのままで実に楽しめました。残念だったのはリシュリュー枢機卿とロシュフォール伯が単純に悪役として扱われていたこと。特にロシュフォール伯は原作では後にダルタニャン達と友誼を結ぶ存在だけに不満を抱かざるを得ません。リシュリュー枢機卿も単なる権力の掌握に野心を燃やす政治家という扱いだったしなあ。逆にミレディ・ド・ウィンターの派手な立ち回りは素直に満足。ミレディは個人的にかなり好きな女性なので殆ど主役級という扱いの良さは嬉しかったです。また,バッキンガム公の出番の多さも特筆もの。その大袈裟で演技がかった立ち振る舞いに惚れ惚れします。その悪辣なやり口もたまらなく格好いい。終盤の飛行船同士による空中戦はやり過ぎ感がある程でしたが,どうせやるなら此処まで徹底的に外連味溢れる展開に欲しかったので個人的には望むところでした。主要な登場人物がかなり多い作品でしたが,きちんとそれなりに見せ場が用意してあったのが嬉しいです。ダルタニャンの従者であるプランシェがあんなに活躍するとは思っていなかったなあ。原作への愛情を感じさせる細やかな描写が大変お気に入りです。

 ダルタニャン役のローガン・ラーマンは向こう見ずで熱血な田舎銃士見習いを好演。やっぱりこういう元気な若者が主人公というのは楽しいですね。ガブリエラ・ワイルド演じるコンスタンツとの初々しい恋物語も素敵。三銃士役ではアトスが目立っていたかなあ。ミレディの元恋人であり三銃士のリーダーでもあります。冒頭で任務に失敗して,酒に溺れるところも原作通り。ただ,やはり三銃士よりもミレディとバッキンガム公の存在感が大きすぎたことは否めません。ミレディを演じるミラ・ジョヴォビッチは期待通りに派手な活躍で楽しませてくれます。リシュリュー枢機卿とバッキンガム公を手玉に取る悪女ぶりもたまらなく魅力的。そして胸の谷間に思わず釘づけになってしまいます。やっぱり,ミラ・ジョヴォビッチは素敵だなあ。一方のオーランド・ブルームが演じるバッキンガム公爵は原作では然程印象がなかったので,今作においては大暴れ。ヴェルサイユ宮殿に突如として飛行船で颯爽と降り立つ伊達男ぶりに惚れ惚れします。その大袈裟で胡乱な立ち振る舞いが大変素晴らしい。中盤ではダルタニャン達に翻弄されてしまいますが,最終盤に数十隻の飛行船を従えてフランス侵攻を企てる場面の悪役感が半端なく良かったです。正直なところ,ミレディとバッキンガム公爵だけでお腹いっぱいになれる感じでした。なお,コンスタンツを演じるガブリエラ・ワイルドの可憐な姿も良かったです。ダルタニャン側のヒロインだしね,一応。三銃士の仇敵となるロシュフォール伯爵は格好いいんだけど,その末路が残念すぎます。眼帯をした欧州最強の剣士としての存在感はあったんだけどね。

 何はともあれ,大満足の作品でした。頭をからっぽにして素直に楽しめる作品だと思います。ダ・ヴィンチの飛行船を加えながらも,原作における雰囲気をそれ程損なっていないというのも素晴らしい。ただ,此処から次回作を如何に組み立てるのかについては不安が残ります。今度は原作を完全に無視せざるを得ないものね。ただ,今作の楽しさを勘案すると,それはそれで面白い娯楽映画に仕立て上げてくれそうな期待もあります。恐らくはバッキンガム公爵の逆襲となるであろう次回作を楽しみに待ちたいと思います。な,自分は2Dでの鑑賞でしたが,3Dでの鑑賞を意識した撮影となっているので,3Dで鑑賞した方が良かったかもしれません。地元では3D字幕上映がなかったんだよね。
posted by 森山 樹 at 10:09| Comment(0) | TrackBack(1) | 感想(映画館)
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