2013年06月03日

ダイ・ハード/ラスト・デイ

〈2013年映画感想9本目〉
ダイ・ハード/ラスト・デイ

A GOOD DAY TO DIE HARD
2013年 アメリカ 98分
監督:ジョン・ムーア
脚本:スキップ・ウッズ
配給:20世紀FOX
出演:ブルース・ウィリス,ジェイ・コートニー,セバスチャン・コッホ,メアリー・エリザベス・ウインステッド,ユーリヤ・スニギル,ラシャ・ブコビッチ,コール・ハウザー,アマウリー・ノラスコ

 6年ぶりの〈ダイ・ハード〉最新作。と言っても,このシリーズは第1作目以外鑑賞していないわけですけれども。自分が全く映画を鑑賞していない期間に公開されていたというのがその理由。頭の悪いアクション映画は大好物なので見ればきっとそれなりに楽しめることと思えます。しかし,ブルース・ウィリスは最強の存在以外の仕事をする気はないのかなあ。それでいいとも思うのだけれども。

 ロシアで拘束された息子ジャックを救出する為に休暇を取ったジョン・マクレーン刑事の活躍を描くアクション映画。第1作目以来の〈ダイ・ハード〉鑑賞となりましたが,物語は正直突っ込みどころが多過ぎます。何というか,ダメな脚本の見本みたいな感じ。但し,アクション場面はやはり素直に面白い。ジョン・マクレーンのついてない男ぶりが如何なく発揮されますが,どんな窮地に陥ったとしても機転と勇気で切り抜けるジョン・マクレーンはやっぱり格好いいなあ。そして,そのついてない男の遺伝子を着実に継承したとしか思えないジャックの活躍も楽しい。この親子の相克が物語の主軸となっています。序盤は対立しながら,中盤で徐々に認めあい,最終的には共闘するふたりの姿は王道ながらも素直に楽しめます。しかし,思いこみでジャックの使命を台無しにするジョンの親馬鹿ぶりはたまりませんね。ジャックの使命とはとある理由で収監されたロシアの大物政治家ユーリ・コマロフを保護し国外へと連れ出すこと。一方のジョンはその使命の一環としてロシアで逮捕されたジャックを救う為にモスクワに向かうことになります。物語は二転三転して最終的な舞台はチェルノブイリ原子力発電所となるのですが,このあたりの描写のいい加減さは苦笑もの。何というか,アメリカ人は放射能の恐ろしさを完全になめきっていますよね。或いはこれが一般的なアメリカ人の放射能に対する認識なのかもしれませんが,それはそれでこういう国が最大の核兵器保有国という怖さを感じてしまいます。たとえ娯楽映画だとしても最低限の現実性は欲しいもの。確かにチェルノブイリ原子力発電所が最終決戦の地という展開は燃えるものがあるのですけれどね。しかし,コマロフの素性を含めて物語がいい加減すぎるよなあ。ジョンとジャックのマクレーン父子によって悪は滅ぼされましたという結末も雑。他国を舞台にアメリカの警官があそこまで派手な行動をとるのは不自然だよなあ。マクレーン父子の大暴れによる爽快感はあるのですが,逆に言えばそれしか残らない物語でもあります。もう少し何とかならないものか。

 主人公ジョン・マクレーンを演じるのは言わずと知れたブルース・ウィリス。ジョン・マクレーン役でアクション俳優としての座を確立しただけに最早ブルース・ウィリスとジョン・マクレーンは同一の存在であると断じても過言ではない感じがします。やっぱり格好いいんだよなあ。こんな刑事を絶対に敵に回したくないものです。愚痴りながらも息子を救う為,そして悪を滅ぼす為に戦う姿がたまりません。その強靭な肉体も勿論だけど機転の利きが最大の武器なのですよね。そのジョンの息子であるジャック・マクレーン役はジェイ・コートニー。当初はジョンに反目しながらも,徐々に彼の真意を知り,最終的には共闘する姿が素敵。若さ故の判断力の甘さも見せますが,その肉体的にも精神的にも強靭な姿はまさにジョンの遺伝子を受け継いでいると言えます。陳腐な言葉を使えば,結末で見せる親子の絆もたまらなく良い。一方でユーリ・コルロフ役のセバスチャン・コッホもその娘イリーナ役のユーリヤ・スニギルも印象の薄さは否めず。この手の映画では強大で悪辣な敵役の存在が欠かせないのですが残念ながらそれを望みえません。描き方次第では結構魅力を引き立てることは出来たと思うのですけれどね。二転三転する展開も正直予定調和過ぎて先が読めてしまうのが面白さを損ねていました。結果的に物語としてではなく,マクレーン父子の大暴れのみが印象に残る作品となってしまっています。なお,ジョン・マクレーンの娘で,ジャックの姉であるルーシー役はメアリー・エリザベス・ウインステッド。ほんの脇役ながら,その美貌は印象的。自分は未鑑賞ですが前作『ダイ・ハード4.0』から続投している模様です。

 楽しめなかったわけではないのですが,それよりも大きな不満を感じる残念な作品でした。〈ダイ・ハード〉シリーズの最新作であるという過剰な期待感が災いしたのかもしれません。但し,純粋なアクション場面はやはり楽しい。ブルース・ウィリスのアクションのみに着目すれば,充分に楽しめる映画であると言ってもいいでしょう。一応更なる次回作も予定されているので,巻き返しを期待したいと思います。アメリカ本国でも評価は低かったようですが,世界的な興業としては成功しているとのこと。鑑賞後の爽快感を得るに相応しいマクレーン父子の新たな戦いを楽しみにしています。
posted by 森山 樹 at 06:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)
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