2013年06月09日

機動戦士ガンダムUC episode6

〈2013年映画感想10本目〉

機動戦士ガンダムUC episode6
2013年 日本 59分
監督:古橋一博
脚本:むとうやすゆき
出演:内山昂輝,藤村歩,池田秀一,浪川大輔,甲斐田裕子,柿原徹也,成田剣,手塚秀彰,高木渉,塩田朋子,小山力也,中村悠一

 『機動戦士ガンダムUC』の第6話です。サブタイトルは「宇宙と地球と」。『機動戦士ガンダムUC』も残すところは本作を入れて後2話。原作を読んでいないので,如何に物語が展開するか分からず,息を呑んでいる現状です。最終話となるepisode7「虹の彼方に」は来春,時間を拡大して公開とのこと。バナージとオードリーの物語が如何に帰結を迎えるか楽しみでなりません。

 オードリーの救出からラプラスの箱を巡る最終決戦直前までが描かれる『機動戦士ガンダムUC』の第6話です。最終決戦直前ということで戦闘場面はやや控えめで,その分濃厚な人間ドラマに焦点が当てられています。とは言え,冒頭と終盤のMS戦はやはり熱い。特に第5話の最終盤でも描かれたアンジェロ・ザウパーが駆るローゼン・ズールの圧倒的な格好良さが素晴らしい。『機動戦士ガンダムZZ』で登場したネオ・ジオンのMSハンマ・ハンマの完成形とも言える機体は準サイコミュ兵器インコムを駆使して各陣営にその強さを見せつけます。アンジェロのフル・フロンタルへの無私の忠誠心も相まって宛ら騎士の如き姿にすら見えます。フル・フロンタルの愛機シナンジュとともに最終決戦ではバナージの前に立ちはだかる難敵となることでしょう。また,シナンジュも「袖付き」の旗艦レウルーラ内で改造を施されているのが確認されています。スペロア・ジンネマンの言葉からすると脚部がない機体ということで,一年戦争時代にシャア・アズナブルが搭乗したMAジオングを想起させますが,どうなることか。対するユニコーンガンダムもタクヤ・イレイの発案により重武装型のフルアーマー・ユニコーンガンダムとなり,リディ・マーセナスのバンシィもバンシィ・ノルンへと強化。マリーダ・クルスのクシャトリャは一応補修がなされています。クシャトリャ・ベッセルングという呼称の模様。最終決戦では更に改装されるようではありますが。いずれにせよ,各陣営を代表する機体が出揃い最終決戦への期待が否が応でも盛り上げられてしまいます。まあ,アンジェロのローゼン・ズールとリディのバンシィ・ノルンは既に今巻において活躍の一端を見せてしまったので,次巻ではその反動が懸念されますが。特にリディは此処までいいところがないだけに,見せ場が与えられることを期待します。なお,フルアーマー・ユニコーンガンダムの武装全部盛りな外観はかなり好みです。あまりに重武装すぎる為にスラスターが追加されているところも含めてね。量産機が完全にやられ役だったのは不満だったけれども。

 物語としては複雑に絡み合った陣営の整理がなされて分かり易くなりました。同時に此処までいまいち説明不足だったフル・フロンタルの行動理念が明確になったのは大きい。彼の語るサイド共栄圏というのはある意味で正しいのも事実。実際のところ,『機動戦士ガンダムUC』よりも後の時代を描いた『機動戦士ガンダムF91』や『機動戦士Vガンダム』では地球の重要性がどんどん薄らいでいるように思われます。特に『機動戦士Vガンダム』における地球は荒廃し,幾許の価値も持たない惑星になり下がった感があるのですよね。但し,それに対するバナージ・リンクスの回答は熱い。やっぱりこの少年の真っ直ぐな感性は実に気持ちが良いです。妙に卑屈さを感じるリディ・マーセナスとの違いはこのあたりにあるのかなあ。また,オットー・ミタスとスペロア・ジンネマン,ふたりの大人も素晴らしく格好いいところを見せてくれました。特に地球連邦軍に対する尽くせぬ恨みから一度はフル・フロンタルの命令に従ったジンネマンがマリーダの漏らした言葉で過去の呪縛から解き放たれる場面はこの第6話のみならず,『機動戦士ガンダムUC』を通じても屈指の名場面でありましょう。ジンネマンとマリーダには幸せになって欲しいのですが,マリーダの消耗が激しいのが気がかり。プル・トゥエルヴとして生を受け,戦争に翻弄された人生を送った彼女には幸せであって欲しいのです。クシャトリャが最終決戦に出陣するということは彼女もまた戦場に立つということでもありますけれども。オードリーやバナージを導く姉のような存在でもあります。あと,ジンネマンの副官のフラスト・コールが地味にいい味を出しているよね。エコーズの司令代理コンロイの活躍もあり,脇役の出番が多いお話でもありました。マーサ・ビスト・カーバインの不気味な策動も気になります。戦闘以外の部分が楽しいというのも素晴らしいよね。

 長きに渡って続いてきた『機動戦士ガンダムUC』も残り1話。地球連邦成立から始まったラプラスの箱を巡る争いに終止符が打たれることになります。ユニコーンガンダムが示す,ラプラスの箱が隠された座標は物語の始まりの地インダストリアル7。バナージのフルアーマー・ユニコーンガンダム,リディのバンシィ・ノルン,マリーダのクシャトリャ,アンジェロのローゼン・ズール,それにフル・フロンタルの新型MSと役者は揃い,最終決戦の火蓋が切って落とされます。様々な想いが交錯する戦場において如何なる結末が待っているのか楽しみでなりません。そして,戦場の定め故,死は誰にも避けられ得ぬ出来事ではありますが,ひとりでも多くの人が生き残ることを祈っています。次もまた必ず劇場での先行上映を鑑賞することになるでしょう。その日が来るのが楽しみでもあり,また終わらないで欲しいという願いもあります。
posted by 森山 樹 at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)
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