2014年01月19日

鑑定士と顔のない依頼人

〈2014年映画感想1本目〉
鑑定士と顔のない依頼人
LA MIGLIORE OFFERTA
2013年 イタリア 124分
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
配給:ワーナー・ブラザーズ/ギャガ
出演:ジェフリー・ラッシュ,ジム・スタージェス,シルヴィア・フークス,ドナルド・サザーランド,フィリップ・ジャクソン,ダーモット・クロウリー,リヤ・ケベデ,キルナ・スタメル

 美術鑑定の世界を舞台としたミステリィ映画。ジェフリー・ラッシュが演じる辣腕の美術鑑定士ヴァージルが頑なに素顔を見せようとしない依頼人クレアとの出逢いから始まる不思議な恋物語が描かれます。しかし,終盤で状況は一変。事の真相は中盤あたりからある程度は予測出来ていたのですが,改めて序盤から振り返ると様々に胡乱な伏線が張ってあるのが楽しい。まあ,自分が同じ目に遭ったら,呆然とするだけでは済まないだろうけれども。ヴァージルとクレアの出逢いから心の触れ合いまでが丁寧に丹念に描かれているだけに最終盤の展開が実に効果的であろうかと思います。クレアの屋敷で発見された自動人形が物語の進展に沿って徐々にジム・スタージェス演じるロバートによって復元されて行くのは面白いのですが,その自動人形の口から事件の真相の一端が明かされる嫌らしさがたまりません。ヴァージルの心を捕えるクレア役のシルヴィア・フークスの美貌も非常に魅力的なのですよね。広場恐怖症によって外出出来ないという神秘性も無論その魅力を引き立てているのでしょうけれども。但し,一概に絶望的な終わり方と言えないのも本作の面白いところ。作中の言葉を借りるならば,本物以上に価値のある贋作というのも確かにあるのです。それをヴァージルが入手出来たかを観賞者に委ねる結末は上手いなあと思いました。割と酷いお話ですが,思わず物語に引き込まれてしまうのも事実。細部に気になる個所は幾つかありますが,素直に楽しむことの出来る作品でありました。物語を彩る数々の名画の登場も美術好きには嬉しかったです。
posted by 森山 樹 at 15:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)
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