2014年09月15日

ルパン三世

〈2014年映画感想20本目〉
ルパン三世
2014年 日本 133分
監督:北村龍平
配給:東宝
出演:小栗旬,玉山鉄二,綾野剛,黒木メイサ,浅野忠信,ジェリー・イェン,キム・ジュン,タナーヨング・ウォンタクーン,中山由香,吉野和行,山口祥行,

 モンキー・パンチ原作による同名の漫画作品の実写映画化,というよりも,テレビアニメ作品の実写映画と言ったほうが適切なのかな。とにかく『ルパン三世』の実写化作品です。当初の期待よりも予想以上に映画として成立していて期待外れ。もう少し剥き出しの地雷作品だと思っていたのですけれど,俳優陣が頑張ってルパン一味を演じており,一見きちんとした『ルパン三世』に仕上がっておりました。但し,別の巨悪を逮捕するが為にルパンに過去の犯罪歴抹消を餌に取引を持ちかける銭形のとっつぁんやその巨悪の本拠地である完全無欠の要塞を力任せに武力で落とそうとするルパン一味など,あまりにも『ルパン三世』らしからぬ行動を取る登場人物たちに違和感を拭うことが出来ません。また,格好いいアクションや格好いい台詞が格好悪く感じてしまうのも残念。そもそも戦闘アクション場面が一番の見どころということ自体が『ルパン三世』ではありえないと思うのですよね。それでも,小栗旬を始めとする俳優陣のルパン一味再現度は結構素晴らしかった。特に浅野忠信が演じる銭形は好みであります。だからこそ逆に原作の設定とは異なる行動理論を見せることに対する違和感が拒否反応を起こしてしまうのであります。とは言え,巷の評判ほど悪い映画ではないように思えるのも事実。脚本と演出をもうちょっと何とかすれば,意外に良い作品になるではないかなと思います。後は目に負担の大きいアクション場面を何とかして欲しいなあ。やりたいことは分かるんだけど,もう少しやりようはあるはずです。

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2014年09月14日

LUCY/ルーシー

〈2014年映画感想19本目〉
LUCY/ルーシー
LUCY
2014年 フランス 89分
監督:リュック・ベッソン
配給:東宝東和
出演:スカーレット・ヨハンソン,モーガン・フリーマン,チェ・ミンシク,アムール・ワケド,アナリー・ティプトン,ジュリアン・リンド=タット,ヨハン・フィリップ・アスベック,ピルー・アスベック

 リュック・ベッソン監督による超能力アクション映画。とある薬物によって脳の機能を100%引き出された女性ルーシーの戦いが描かれます。設定自体は割と手垢が付いたものに思えますが,最終的な結末もほぼ予想通り。脳の機能が解放されるに連れて,人間性を喪失していくというのが皮肉に思えます。とは言え,ルーシーの行動原理がいまいち把握出来なかったのは残念。結果的には自分の運命を暗転させた台湾マフィアへの復讐ということになったのですが,人間性を喪失する過程の中でもその想いが失われることがなかったのが不思議に感じます。降りかかる火の粉を払い除けるのではなく,積極的に台湾マフィア殲滅への行動を取っていましたからね。或いはこれがルーシーに残された最後の人間性ということであったのだとすれば,あまりにも悲しいものがあります。ルーシーの能力の解放を可視化するという視覚表現は結構好み。また,当初は別個に動いていたルーシーとノーマン教授の物語がひとつに収束する過程は面白かったです。ルーシー役のスカーレット・ヨハンソンは相変わらずの美貌が素敵。但し,今作では痛々しい場面が多かったのがちょっと悲しい。ノーマン教授役はモーガン・フリーマン。この人が登場すると妙に物語が格調高くなってしまうのが素敵です。正直,設定にも物語にも無理があるのは事実。鑑賞していて突っ込みどころも多々ありました。楽しめなかったわけではないのですが,かなり惜しいなあという作品であります。スカーレット・ヨハンソンを堪能しただけでも満足ではあるのですけれどね。

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2014年07月17日

絶狼〈ZERO〉-BLACK BLOOD-黒ノ章

〈2014年映画感想19本目〉
絶狼〈ZERO〉-BLACK BLOOD-黒ノ章
2014年 日本 72分
監督:金田龍
配給:東北新社
出演:藤田玲,武子直輝,梨里杏,セイン・カミュ,野本かりあ,ガダルカナル・タカ,尚玄,粟島瑞丸,世良優樹,大貫真代,高野八誠

 『絶狼〈ZERO〉-BLOCK BLOOD-』の後半部分。「人間とホラーの共存」を掲げるホラー・リングと絶狼たちとの戦いの帰結が描かれます。セイン・カミュが演じるホラー・リングの超然とした態度が実に魅力的。とは言え,その本性は流石におぞましいものでありましたけれども。但し,それよりも己の安全の為に利己的な態度を取る人間の醜さの方に嫌悪感を覚えたのも事実。そして,それが故にそれでも人間を守る為にホラーと戦い続けることを宣言した絶狼の格好良さが素晴らしかったです。また,父の命を奪ったホラーと戦う為,本来は女性の身には扱えないソウルメタルの剣を振るう為にユナに施された壮絶な手法も意外性があってよかった。ホラー・リングに従う母イユとの関係を含めて,物語の鍵を握る存在として最後まで戦い抜く姿が美しかったです。飄々としながらも秘めたる熱い心の持ち主であるカインともども再びの登場を期待したいもの。今作はTVシリーズ6話分に相当する物語だけにかなり密度の濃さが素敵でありました。やはり,この〈牙狼〉シリーズは都会を舞台にした物語の方が好みであります。結局,今に至るまでTVシリーズは一度も鑑賞していないのですが,劇場版はそれなりに欠かさず見ているというのが面白い。今後も劇場公開は追いかけて行こうと思います。絶狼こと涼邑零を演じる藤田玲は『仮面ライダー555』での印象が強いのですけれど,すごく格好の良い俳優になりましたね。その胡乱な雰囲気を含めて,かなり好みであります。ユナ役の梨里杏は『烈車戦隊トッキュウジャー』での活躍にも期待したいものです。
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2014年06月30日

マチェーテ・キルズ

〈2014年映画感想18本目〉
マチェーテ・キルズ
MACHETE KILLS
2013年 アメリカ 108分
監督:ロバート・ロドリゲス
配給:オープン・ロード・フィルムズ/ファインフィルムズ
出演:ダニー・トレホ,メル・ギブソン,デミアン・ビチル,アンバー・ハード,ミシェル・ロドリゲス,ソフィア・ベルガラ,カルロス・エステベス,ウォルトン・ゴギンズ,ジェシカ・アルバ,レディ・ガガ

 『マチェーテ』の続篇。前作同様にダニー・トレホが演じるマチェーテが悪人どもを殺しまくるだけの作品であります。それで十分面白いというのが或る意味で非常に悪質。とは言え,前作の方がはるかに面白かったのも事実ではあります。一応,前作は不法移民問題という社会性も有していたのですけれどね。主題性の希薄さが物語を薄いものにしています。尤も,それはそれであってもなくてもどうでもいいようなものだけれども。前作からの直系の続篇ということでマチェーテの恋人としてジェシカ・アルバが演じるサルタナ・リベラは登場しますが,冒頭で惜しげもなく殺害されるあたりがこの作品らしいと言えば如何にもらしい感じ。というわけで,結局のところはマチェーテの相方及び相棒としてはミシェル・ロドリゲスが演じるルースが務めることになります。ミシェル・ロドリゲスの肉食系美女ぶりは相変わらず魅力的。やっぱり,この姉さんの格好良さは異常であります。そのマチェーテと対峙する相手はメル・ギブソンが演じる武器商人ルター・ヴォズ。他にもチャーリー・シーンやアントニオ・バンデラスらも登場し,何気に豪華な配役となっています。前作で強烈な印象を残したリンジー・ローハンの再演がなかったのは残念だったけれど。変装の達人エル・カメレオンは結構お気に入り。変装後をレディ・ガガやアントニオ・バンデラスが演じるというのも楽しい。物語をとやかく言う類の作品ではありません。マチェーテ役のダニー・トレホの凶悪な存在感を楽しむだけの作品と言い切っていいのでありましょう。個人的にはそれで十分に満足です。なお,ロバート・ロドリゲス作品らしく,嘘予告篇は今回も健在。但し,冒頭の嘘予告が物語の最終盤に繋がっていくのは抱腹絶倒もの。多分,本気で続篇を作るつもりなのでしょうね。宇宙を舞台としたマチェーテの活躍を大いに期待したいものであります。多分,酷い内容なのだろうけれども。
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2014年06月14日

アナと雪の女王

〈2014年映画感想16本目〉
アナと雪の女王
FROZEN
2013年 アメリカ 102分
監督:クリス・バック,ジェニファー・リー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ
声の出演:クリスティン・ベル,イディナ・メンゼル,ジョナサン・グロフ,ジョシュ・ギャッド,サンティノ・フォンタナ,アラン・テュディック,キーラン・ハインズ

 ハンス・クリスチャン・アンデルセンの『雪の女王』を原案とした3Dアニメーション映画。とは言っても,『雪の女王』はあくまでも原案作品であって物語は全くの別物となっています。一応,脇役に『雪の女王』を彷彿とさせる名前が使われてはいますけれど。『雪の女王』は大好きな物語なので,此方の素直な映画化作品であっても良かったなあと思います。本作の主人公はエルサとアナの姉妹。より中心として描かれるのは妹のアナのほうかな。エルサは強大な魔力の持ち主であり,その魔力の暴走が王国を凍てつかせることになります。そのエルサが王国を捨て,ひとりで北の山に氷の宮殿を顕現させる場面は圧巻。雪と氷の視覚効果が素晴らしいものがありました。此処で流れる主題歌「Let It Go」の美しさも特筆もの。ミュージカル要素を多分に含んだ作品ですが,その試みは上手く作用しているように感じました。物語としては割と陳腐と言えば陳腐。真実の愛がすぐ傍にあるというのは王道でありましょう。アナとともにエルサを救うべく奔走するクリストフは過去の出来事が物語に大きく絡まなかったことはちょっと意外だったけれど。また,王位を得る為にアナに偽りの愛を囁くハンス王子の扱いの悪さも気になるところ。物語の都合に合わせて,場面場面でまるっきり性格が違うように感じるのですよね。明確に悪役とされてしまうのが気の毒に思えてなりません。クリストフの相棒のトナカイであるスヴェンや意思を持った雪だるまオラフ,それにトロールたちの魅力は素敵。特にオラフの活躍が大いに目立っていました。最後は勧善懲悪的に幸せな結末を迎えるのも個人的には嬉しいところ。やはり娯楽映画は斯くあるべきだと思います。普段はディズニーのアニメ映画に関心を持たない自分もこの作品は素直に楽しむことが出来ました。過不足なく娯楽映画として高い水準でまとまった作品だと思います。此処まで爆発的に当たるとは思ってもいなかったけれどね。「Let It Go」が果たした役割も大きいことでありましょう。十分に満足しました。
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2014年05月25日

リディック:ギャラクシーバトル

〈2014年映画感想15本目〉
リディック:ギャラクシーバトル
RIDDICK
2013年 アメリカ 119分
監督:デヴィッド・トゥーヒー
配給:プレシディオ
出演:ヴァン・ディーゼル,カール・アーバン,ジョルディ・モリャ,マット・ネイブル,ケイティー・サッコフ,デイヴ・バウティスタ,ボキーム・ウッドバイン,ノーラン・ジェラード・ファンク

 銀河最凶の悪漢リディックの活躍を描くSFアクション映画です。過去作にあたる『ピッチブラック』及び『リディック』はどちらも未見。その為,設定が分かりづらい部分がありました。物語としても過去作との繋がりは結構重要な要素に思われます。可能な限り,過去作に触れることが望ましいように感じました。とは言え,内容はヴァン・ディーゼルが演じるリディックの戦いを楽しむだけの単純なもの。部下の裏切りにより荒涼とした惑星に置き去りにされたリディックのサバイバルと戦いだけを楽しむ映画でありましょう。如何にも,ヴァン・ディーゼルが主演をするに相応しい作品であります。この手の映画が好きならば,それなりに楽しめる筈。個人的には舞台となる惑星の生態系が非常に興味深かった。ありがちではあるけれど,序盤の伏線を結末に上手く活かしたなという印象があります。リディックを狙う賞金稼ぎサンタナ役のジョルディ・モリャの非道ぶりも素敵。如何にも小物といった雰囲気がたまりません。その残虐な死は因果応報というべきなのでありましょう。一方でリディックと関わって命を落とした息子の復讐に燃えるボス・ジョンズ役はマット・ネイブル。徐々に育まれていくリディックとの奇妙な友情が熱いです。そのボス・ジョンズに従う美女ダールを演じるケイティー・サッコフも魅力的。戦う女性としての美しさが素敵であります。物語としては説明不足な印象があり,結末も何処か釈然としないものを感じてしまいます。結局,裏切った部下に対する復讐には至らず,惑星を脱出するだけで終わってしまいましたからね。このあたりは次回作に持ち越しということなのでしょうか。ヴァン・ディーゼルの過激な戦いを楽しむには申し分のない作品だと思います。過去作を見ることで関連性は理解したいと思います。
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2014年05月11日

ホビット 竜に奪われた王国

〈2014年映画感想14本目〉
ビット 竜に奪われた王国
THE HOBBIT: THE DESOLATION OF SMAUG
2013年 ニュージーランド/イギリス/アメリカ 161分
監督:ピーター・ジャクソン
配給:ワーナー・ブラザーズ
出演:マーティン・フリーマン,イアン・マッケラン,リチャード・アーミティッジ,ベネディクト・カンバーバッチ,オーランド・ブルーム,エヴァンジェリン・リリィ,ルーク・エヴァンズ,リー・ペイス,エイダン・ターナー

 『ホビット 思いがけない冒険』から続く〈ホビット〉第2作目。邪竜スマウグによって奪われたドワーフの王国エレボールを取り戻す為に冒険を続けるビルボ・バギンズとガンダルフ,それにドワーフ一行の物語が描かれます。原作では出番のなかったレゴラスに派手な出番が用意されている他,原作では未登場のタウリエルが設定されるなど妙にエルフが優遇されているのが気になりますが,それ以外は概ね原作に沿った内容で非常に楽しい。特に最終盤にエレボールに潜入した後の邪竜スマウグとの対峙には思わず息を飲んでしまいます。スマウグは邪竜というに相応しい,その圧倒的な強さが魅力的。トーリンの策にはまりはするものの,その身を黄金でまとった姿は邪悪な神々しさを印象付けてくれます。とは言え,スマウグとの決着は次回に持ち越しというのが中途半端な感がして残念。第3作目でこの不満を一掃するような演出を見せて欲しいものです。物語は相変わらずビルボとドワーフ一行の道中が実に楽しい。特に今作ではエイダン・ターナーが演じるキーリが妙に目立っていました。まさか,エルフのタウリエルとの間で淡い浪漫が用意されているとは思わなかった。そのタウリエルはレゴラスに想いを寄せる闇の森の守護隊長。如何にもエルフらしい美しさと凛々しさが映えます。レゴラスとともに弓と剣を駆使してオークと戦う姿は反則的に格好いい。特に零射程からの弓による攻撃がたまりません。また,湖の町エスガロス潜入を手助けした弓の達人バルドを演じるルーク・エヴァンズも素敵。此方は第3作目で人間側の重要な存在として大いに活躍を見せてくれる筈です。第2作ということでの中弛みは全く感じない素敵な映画でありました。何よりも,物語の舞台として描かれる中つ国の雰囲気がたまらなく好き。久しぶりに原作を読み返したくなります。第3作はスマウグとの戦いを経て,ビルボが入手したアーケン石を巡る五軍の戦いが描かれる筈。『指輪物語』へと至るホビットとドワーフの冒険の帰結を心待ちにしたいと思います。レゴラスとタウリエルの出番の多さにも或る意味で注目かなあ。
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2014年05月10日

キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

〈2014年映画感想13本目〉
キック・アス/ジャスティス・フォーエバー
KICK-ASS2
2013年 アメリカ 103分
監督:ジェフ・ワドロウ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/東宝東和
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン,クロエ・グレース・モレッツ,クリストファー・ミンツ=プラッセ,ジム・キャリー,ドナルド・フェイソン,リンディ・ブース,オルガ・カーカリナ,クラーク・デューク,モリス・チェストナット

 スーパーヒーロー映画『キック・アス』の続篇です。舞台は前回から3年の後。キック・アスとヒット・ガールの再びの戦いが描かれます。対峙するはレッド・ミスト改めマザー・ファッカー率いる悪党集団。このマザー・ファッカーのぼんくらぶりが非常に楽しい。悪趣味な笑いの中に凄惨な描写が入る作風は変わっていません。やや大作趣味に傾倒した印象は否めないものの個人的には十分に楽しめる作品でありました。ヒット・ガール役のクロエ・グレース・モレッツの可愛らしさは健在。但し,成長した感は否めません。前作での年端の行かぬ少女の大暴れという爽快感は多少減退しております。虐めっ子に対する苛烈な報復は流石というべきでしょうか。主役のキック・アスも前作と変わらぬぼんくらぶりを遺憾なく発揮しています。このキック・アスとマザー・ファッカーのぼんくら対決が妙に凄惨な方向へと進むのはやや違和感があります。これも芸風と言ってしまえば,それまでなのでしょうけれども。しかし,正義のヒーロー集団ジャスティス・フォーエバーを率いるストライプス大佐の死はともかくとして,キック・アスことデイヴの父を拷問死させるのはやりすぎな気がしてなりません。このお陰で後味が悪くなってしまっています。単純に大笑い出来て,爽快な気分になれる作品であったらよかったのになあと思わざるを得ません。ただ,物語として面白かったのも事実。キック・アス側もマザー・ファッカー側もとにかくぼんくらな人物ばかりで楽しい。デイヴの友達のマーティとトッドまでもスーパーヒーローになるとは思ってもみなかったしね。前作で彼女になった筈のケイティにはあっさり振られてしまっていたけれども。何はともあれ,期待とは違ってはいましたが,存分に楽しい作品でありました。一番の見どころであるクロエ・グレース・モレッツの魅力が大いに発揮されているのが嬉しい。次回作があるならば,如何なる方向に進むのか注目したいものであります。マザー・ファッカーは延々と宿敵として登場し続けるのかなあ。
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2014年05月07日

ザ・イースト

〈2014年映画感想12本目〉
ザ・イースト
THE EAST
2013年 アメリカ 116分
監督:ザル・バトマングリッジ
配給:20世紀FOX
出演:ブリット・マーリング,アレキサンダー・スカルスガルド,エレン・ペイジ,パトリシア・クラークソン,トビー・ケベル,シャイロー・フェルナンデス,オルディス・ホッジ,ジェイソン・リッター

 環境テロリスト集団に潜入した女性捜査官の葛藤を描く社会派サスペンス映画。題名となっている“ザ・イースト”とはその環境テロリスト集団の名前を指します。ザ・イーストの環境を守る為には犯罪を辞さないという行為は自分の理解の範疇を越えているのが辛い。カルト宗教的な側面も徐々に有し始めていく姿は寧ろ或る種のホラー映画にも感じました。最初は正しい目的を持った集団が狂気を帯びていき,引き返せないところまで行ってしまうというのが怖い。そんなザ・イーストの指導者ベンジーに共感を覚えていく元FBI捜査官ジェーンの葛藤が物語の中心となります。潜入捜査ものということで正体が何時ばれるかという緊張感が終始漂っているのは素敵。興味深いのはジェーンが所属する調査会社,その調査会社に調査を依頼する大企業,そして潜入調査の対象となるザ・イーストの三者全てに倫理的な非があるということ。それぞれへの強烈な不信感が物語を単純な勧善懲悪ものからは一線を画す作品へと導きます。ザ・イーストそのものへ共感することは到底無理なのですが,残る二者の胡散臭さも大概なのですよね。これがアメリカ社会の実情の一端ということなのでありましょうか。最終的には諜報活動の民間化とそれに伴う情報拡散にまで主題の提示が広がるというのも面白い。社会問題に怒りを込めて提起するという試みは大変楽しいものがありました。残念だったのはジェーンとベンジーの恋愛劇が無意味に挿入されているということ。この件は不要だったように思います。何はともあれ,普段は鑑賞しない種の作品ということで楽しませて頂きました。今後は鑑賞の幅を広げる意味でも徐々に触れて行きたいと思います。
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2014年05月06日

エージェント・ライアン

〈2014年映画感想11本目〉
エージェント・ライアン
JACK RYAN: SHADOW RECRUIT
2014年 アメリカ 105分
監督:ケネス・ブラナー
配給:パラマウント映画
出演:クリス・パイン,キーラ・ナイトレイ,ケビン・コスナー,ケネス・ブラナー,コルム・フィオール,デヴィッド・ペイマー,ミハイル・バシリニコフ

 トム・クランシー原作による人気映画シリーズのリブート作品です。と言っても,原作も前シリーズにも一切触れていないので今作が初めての〈ジャック・ライアン〉シリーズということになります。分析官から諜報員にジャック・ライアンがなるまでが描かれる,謂わば,導入篇的な作品といってよいでしょう。ジャック・ライアンを演じるのはクリス・パイン。表向きは投資銀行の法務監査を請け負いながら,影ではCIAの分析官を務めるという設定の為,どちらかというとアクションよりも知性派の諜報員と行った趣が強いです。飛行機内で矢継ぎ早に指示を出す場面は格好よかった。とは言え,そこはアメリカの諜報員。悪役との派手なアクションも見せてくれます。そのジャック・ライアンの恋人キャシー役はキーラ・ナイトレイ。久しぶりに見たような気はしますが,その美貌は健在。相変わらず細いよね。結果的には公私に渡ってジャックを支える存在となります。このあたりは如何にも映画的ではありますが悪くはない。ジャックを導く上司役はケビン・コスナー。年を重ねて渋い俳優になった気がします。昔はそれ程好きではなかったのだけど,今は素直に格好いいなあと思います。物語としては王道を行くもの。可もなく不可もなくといった塩梅です。それが故に安心して見ていられるのも事実。実際的には次回作以降の出来が勝負といったところでありましょう。この種のスパイ・アクション映画好きならば,それなりに楽しめる作品かとは思います。あまり期待し過ぎると裏切られることにもなりかねませんが。
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2014年04月16日

エンダーのゲーム

〈2014年映画感想10本目〉
エンダーのゲーム
ENDER’S GAME
2013年 アメリカ 114分
監督:ギャビン・フッド
配給:サミット・エンターテインメント/ライオンズ・ゲート/ウォルト・ディズニー・スタジオ
出演:エイサ・バターフィールド,ハリソン・フォード,ヘイリー・スタンフェルド,アビゲイル・ブレスリン,ベン・キングズレー,ヴィオラ・デイヴィス,アラミス・ナイト,スラージ・パーサ,モイセス・アリアス

 オースン・スコット・カードによる同名の原作小説を原作としたSF映画です。原作は名作と名高い作品であり,今回は待望の初映像化作品であると言えます。外宇宙から侵略してきた異星生命体バガーと戦う為に英才教育を施されたエンダーたち少年少女の戦いが描かれます。原作のそれなりの長さに対して,映画版では上映時間が2時間弱と比較的短い為,何処か粗筋を追っているような印象を抱いてしまうのは残念。2部作とは言いませんが,せめて後30分くらい延長して,もう少しじっくりと物語を描いて欲しかったように思います。その煽りを喰らってか,エンダーの兄姉の動きが殆ど扱われなかったのが気になりました。姉ヴァレンタインはそれでも重要な役割を与えられていましたが,兄ピーターはその粗暴さ故にバトル・スクールを放校されたというだけの説明にほぼ終わっています。エンダーが宇宙で活躍する裏で地球で勢力を広げるピーターの活躍は完全に失われておりました。但し,それでも一応は物語としては成立しているので,あまり目くじらを立てる部分ではないかもしれません。印象的なのはエンダーらを指導するハイラム・グラッフ大佐役のハリソン・フォード。その人でなしぶりが素敵。尤も,彼の立場からすれば如何なる手段をとっても地球人類を救う為に異星生命体バガーを滅ぼさなければならないという使命感を抱くというのは理解できます。但し,理解できるということと彼の作戦に納得できるかというのは別問題。彼の作戦に乗せられて多大な損害を受けながらも異星生命体バガーを滅ぼしたエンダーがただひとり,贖罪の旅に出る結末はなかなか印象的でありました。『エンダーのゲーム』の完全映画化といわれるとちょっと反論したくなりますが,単体の映画と割り切るとそれなりに楽しく鑑賞できた作品ではあります。ペトラ役のヘイリー・スタンフェルドやヴァレンタイン役のアビゲイル・ブレスリンも可愛かったですしね。この種のSF映画好きならば楽しめる作品だと思います。
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2014年03月30日

スノーピアサー

〈2014年映画感想8本目〉
スノーピアサー
SNOWPIERCER
2013年 韓国/アメリカ/フランス 125分
監督:ボン・ジュノ
配給:ビターズ・エンド/角川映画
出演:クリス・エヴァンス,ソン・ガンホ,コ・アソン,ジェイミー・ベル,ジョン・ハート,ティルダ・スウィントン,オクタヴィア・スペンサー,エド・ハリス,ユエン・ブレムナー,ルーク・パスカリーノ,アリソン・ピル

 雪と氷に閉ざされた未来の地球を舞台に残された人類を乗せて走り続ける列車スノーピアサーを舞台としたSFアクション映画です。発想は面白いのだけれど,スノーピアサーの設定はやはり無理がありすぎて突っ込みどころ満載。但し,一面真っ白の大地を走り続ける列車という視覚的な刺激はたまらないものがあります。また,最下層の人間は列車の最後方に,そこから前に進むに従って支配階級が居住するというスノーピアサーの暗黒郷ぶりも素敵。勿論,人間ドラマが主体となるのですが,このスノーピアサーという世界観そのものが最大の見どころであるといっていいでしょう。尤も,スノーピアサーに関する設定は全く明らかにされないのが不満ではあります。というか,幾ら永久機関を搭載しているとは言え走り続ける必要性は感じないし,そもそも永久機関を生み出せる技術があるならば,このような事態には陥っていないような気がするのですよね。こういった指摘は野暮であることは承知していますけれども。物語はスノーピアサー内の理不尽な支配に対する下層民の反乱が描かれます。主人公はクリス・エヴァンスが演じる反乱の指導者カーティス。彼の戦いが中心となりますが,その真相はまあ想定通りと言えば想定通り。ソン・ガンホとコ・アソンが演じる父子が美味しいところを持っていったなあという印象が残ります。また,スノーピアサーの支配者であるウィルフォードの片腕メイソンを演じるティルダ・スウィントンの怪演が素晴らしい。あの笑顔の醜悪さが非常に素敵であります。スノーピアサーの子供たちを洗脳する役を担う小学校教師役のアリソン・ピルもいいですねえ。全体的にスノーピアサー支配者層の狂った感じが面白かったです。まあ,反乱軍側もあまり全うとは言えないのですけれども。カーティスが背負った罪も重たいよなあ。物語というよりも舞台装置を楽しむ種類の映画でありました。これはこれで満足かなあ。暗黒郷ものが好きな類の人間ならば楽しめる作品であるかと思います。
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2014年03月29日

マイティ・ソー/ダーク・ワールド

〈2014年映画感想7本目〉
マイティ・ソー/ダーク・ワールド
THOR: THE DARK WORLD
2013年 アメリカ 112分
監督:アラン・テイラー
配給:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
出演:クリス・ヘムズワース,ナタリー・ポートマン,トム・ヒドルストン,アンソニー・ホプキンス,ステラン・スカルスガルド,イドリス・エルバ,クリストファー・エクルストン,カット・デニングス,ジェイミー・アレクサンダー,レネ・ルッソ

 マーベルコミックを原作としたSFアクション映画『マイティ・ソー』の続篇であり,〈アベンジャーズ〉に連なる作品でもあります。なお,舞台は『アベンジャーズ』から1年後のロンドン。『アベンジャーズ』での出来事に様々な形で触れられるので観賞しておいた方が楽しめると思います。勿論,物語自体は本作だけでもきちんと完結はしているのですけれども。今回,ソーたちアスガルドの神々が戦うのはスヴァルトヘイムのダークエルフの支配者マレキス。『マイティ・ソー』及び『アベンジャーズ』で宿敵としてソーと戦い,現在はアスガルドの一室で幽閉されるロキとの共闘は燃えるものがあります。このあたりは原典である北欧神話の設定を上手く活かしているなあという感じ。ロキのトリックスターとしての存在感は過去作よりも遥かに勝っておりました。特に今作のロキの立ち位置は非常に美味しいです。敵と味方の境界線上で物語を眩惑する役を存分に果たしていたように思います。今作における最大の敵であるマレキスよりも余程に魅力的でありました。また,他方で目立っていたのがカット・デニングスが演じるダーシー。あまりにも可愛らしすぎます。本当に抱きしめたくなる感じでした。本来のヒロインであるジューンは活躍の場は多いんだけど,正統派過ぎて面白みがないのですよね。今後ともダーシーにはコメディリリーフとしての役割を担って欲しいと思います。物語としては如何にも〈マイティ・ソー〉といった出来でありました。但し,他の〈アベンジャーズ〉作品との関わりが希薄に感じたのは残念かなあ。エンドロールで登場したあの人物は『アベンジャーズ2』で大きな役割を果たすのでしょうけれども。何はともあれ,前作同様に楽しい作品でありました。更なる続篇に大いに期待したいと思います。
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2014年03月17日

皇帝と公爵

〈2014年映画感想6本目〉
皇帝と公爵
LINHAS DE WELLINGTON
2012年 ポルトガル/フランス 151分
監督:バレリア・サルミエント
配給:サミット・エンターテインメント/ライオンズゲート,ギャガ
出演:ジョン・マルコヴィッチ,ヴァンサン・ペレーズ,マリサ・パレデス,メルヴィル・プポー,エルザ・ジルベルスタイン,カトリーヌ・ドヌーヴ

 ナポレオン戦争期のポルトガルを舞台とした歴史映画です。題名の皇帝とは勿論フランスのナポレオンI世を,公爵とはイギリスのウェリントン将軍を意味します。といっても,ナポレオンI世は肖像画として出演するのみで,ジョン・マルコヴィッチが演じるウェリントン将軍もそれ程重要な役割とは言えません。寧ろ,物語の中心となるのはイギリスとポルトガルの連合軍とフランス軍とが激突したブサコの戦いに運命を翻弄された名もなき人々であると言えましょう。英雄たちの姿ではなく,各陣営に身を置く一般人たちを描いた群像劇であるといっても差し支えないかと思います。歴史的な背景は最小限の説明に留められているので,ある程度このあたりの歴史事情に詳しくないと状況を把握するのはやや厳しいかもしれません。また,群像劇ということで視点が頻繁に変わるので物語の全体像を把握し辛いのもやや難点。但し,戦火の中での運命の交錯を自然な形で描いているのは実に面白かった。娯楽性には欠ける骨太な歴史映画ですので観賞する人を選ぶように思いますが,少なくとも世界史趣味的な観点からは非常に興味深い映画でありました。とは言っても,爽快感に欠けるのも事実。将帥に兵士,神父,未亡人,娼婦,追剥,令嬢とブサコの戦いに巻き込まれた人々の運命の変転を複雑な想いで観賞しました。個人的には英国令嬢のクラリッサが実に魅力的に思えました。マッセナ元帥役のメルヴィル・プポーも格好良かったけれど,やはりウェリントン将軍のジョン・マルコヴィッチの存在感は圧倒的ですね。それ程有能な人物に描かれていないのも面白かったです。似たような顔立ちの人物が多くて,混乱することが多かったのはやや残念でありました。とは言え,世界史趣味者としては存分に楽しむことが出来たのは間違いありません。
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2014年03月09日

大脱出

〈2014年映画感想5本目〉
大脱出
ESCAPE PLAN
2013年 アメリカ 115分
監督:ミカエル・ハフストローム
配給:サミット・エンターテインメント/ライオンズゲート,ギャガ
出演:シルヴェスター・スタローン,アーノルド・シュワルツェネッガー,ジェームズ・カヴィーゼル,エイミー・ライアン,ヴィニー・ジョーンズ,サム・ニール,カーティス・”50セント”・ジャクソン

 シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの二大肉体派俳優が主演するアクション・スリラー映画です。その題名通りに絶対に脱獄不可能とされる巨大な監獄からの脱出作戦が物語の中心になります。シルヴェスター・スタローンの演じるレイ・ブレスリンが脱獄の専門家という設定上,当初は至極策略をもって臨まれていた脱出計画が結局は力押しになっていくのは主演のふたりを考えれば仕方がないことでありましょう。観賞する方としてもそこを期待しているわけですしね。アーノルド・シュワルツェネッガーが演じるロットマイヤーとシルヴェスター・スタローンが演じるレイ・ブレスリンが敵か味方か判然としないという関係も面白かったです。絶対に脱出出来ないとされる巨大監獄の秘密は容易に想像出来るのですが,それを予告篇や公式サイトで惜しげもなくネタばれしているのはやや興醒め。ネタばれされたからと言って面白さが殺がれる意味合いのものでもないのですが,その真実が明らかにされた時の驚きは失われてしまいますよね。割と荒唐無稽な設定ではありますが,娯楽映画としてはこの外連味は諸手を挙げて歓迎したいところです。また,この巨大監獄の監獄長ホッブスを演じるジェームズ・カヴィーゼルがなかなか魅力的。嗜虐的な憎たらしさがたまりません。その末路も全く同情出来ない感じが素晴らしい。如何にもスタローンとシュワルツェネッガーが主演をするに相応しい勧善懲悪性を見せつけてくれます。個人的には特に後半の脱獄計画に偶然の要素が多すぎて,あまりにも御都合主義を感じてしまうのがやや難点ではありましたが,総じて爽快感を大いに得られる楽しい映画であったように思います。このふたりの主演という期待に存分に応えてくれる作品でありました。素直に楽しかったです。
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2014年02月26日

獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ

〈2014年映画感想4本目〉
獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ
2014年 日本 63分
監督:坂本浩一
配給:東映
出演:竜星涼,斉藤秀翼,金城大和,塩野瑛久,今野鮎莉,丸山敦史,鈴木勝大,馬場良馬,小宮有紗,松本寛也

 毎年恒例のスーパー戦隊VS映画。今回は『獣電戦隊キョウリュウジャー』と『特命戦隊ゴーバスターズ』が中心になりますが,それに加えて『恐竜戦隊ジュウレンジャー』と『爆竜戦隊アバレンジャー』も重要な立ち位置を占めているのが嬉しい。宇宙大恐竜ボルドスの侵略から地球を守る為に戦うスーパー戦隊たちの姿が描かれます。キョウリュウジャーとゴーバスターズがそれぞれの立ち位置で共演するというのはやはり楽しいです。また,敵としては懐かしのグリフォーザーとガイルトンが新たな姿で登場する他,ゴーバスターズと激闘を繰り広げたエンターとエスケイプも復活。特にエスケイプは大好きなので本当に嬉しかった。勿論,あの印象的な名乗りも見せてくれます。そして何よりも恐竜戦隊ジュウレンジャーのティラノレンジャーことゲキと爆竜戦隊アバレンジャーのアバレッドこと伯亜凌駕,アバレブルーこと三条幸人が登場するというのはやはり感涙ものであります。アバレイエローの樹らんるにも登場して欲しかったけれど芸能界を引退しているから無理だったのだろうなあ。また,ゲキ以外の恐竜戦隊ジュウレンジャーの4人も当時演じた本人がきちんと声をあてているというのがたまりません。プテラレンジャー・メイの声が千葉麗子ということを知ったときの驚きは大きいものがありました。事前に情報仕入れていなかったのは大正解だったように思います。物語としては如何にもお祭り映画ということで可もなく不可もなくといった感じかな。キョウリュウジャーとゴーバスターズを中心としたスーパー戦隊の活躍を大いに堪能できる素敵な作品でありました。なお,最新作『烈車戦隊トッキュウジャー』も出演していますが,他のスーパー戦隊との絡みは全くなし。これは今後の劇場版の中で生かされる設定となるのか楽しみにしたいと思います。
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2014年02月23日

ルートヴィヒ

〈2014年映画感想3本目〉
ルートヴィヒ
Ludwig II
2012年 ドイツ 140分
監督:マリー・ノエル,ピーター・ゼアー
配給:ブロードメディア・スタジオ
出演:ザビン・タンブレア,セバスチャン・スキッパー,エドガー・セルジュ,ハンナー・ヘルツシュプルンク,トム・シリング

 19世紀のバイエルン国王ルートヴィヒII世の半生を描いた歴史映画です。ルートヴィヒII世は後に“狂王”と呼ばれる人物。世界史を趣味とする者としては興味深い存在のひとりであります。為政者には理想と現実の両方と真摯に向き合うことが要求されますが,あまりにも理想主義的でありすぎたということが彼の最大の悲劇なのでありましょう。しかし,その理想主義の発露としてノイシュヴァンシュタイン城やリンダーホーフ城が今もその輝きを失っていないのは人類史における確かな遺産でもあります。物語は父王マクシミリアンII世の死に伴う即位からシュタルンベルク湖畔での謎の死までが描かれます。概ね史実に即した展開ではありますが,歴史上の事件の順番を入れ替えている箇所が幾つかあることは気になりました。歴史映画である以上,基本的には歴史どおりに描いて欲しいと思うのですよね。また,史実ではルートヴィヒII世と友情に似た関係を保ったプロイセンのビスマルク首相との描かれ方が微妙だったことにはやはり不満が残ります。理想主義者のルートヴィヒII世と現実主義者のビスマルク首相は本来ならば正反対の相容れない存在である筈なのですが,それが故にかえって互いに好意を抱きあっていたということはやはり表現して欲しかった。とは言え,ルートヴィヒII世の理想に包まれた悲劇の生涯を俯瞰するには最適の作品であることもまた事実。ルートヴィヒII世を演じるザビン・タンブレアの神経質で線の細い貴公子然とした姿はルートヴィヒII世の印象そのままでありました。少なくとも世界史趣味者としての観点からは十分に楽しめた作品であります。いつか,彼が残したノイシュヴァンシュタイン城を訪れたいと思います。戦争を厭い平和主義を掲げ,芸術の中で一生を終えたいというのは或る意味で自分の理想でもありますから。華やかなバイエルン宮廷の衣装装束も見どころのひとつであります。
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2014年01月26日

楊家将

〈2014年映画感想2本目〉
楊家将
忠烈楊家将
2013年 中国/香港 102分
監督:ロニー・ユー
配給:ツイン
出演:ウーズン,ヴィック・チョウ,イーキン・チェン,アダム・チェン,ユー・ボー,リー・チェン,レイモンド・ラム,フー・シンボー

 中国史に名を残す『楊家将演義』を題材とした歴史戦闘アクション映画です。『楊家将演義』は非常に長い小説なので,この映画で扱われているのは実際的には序盤の部分。原作は邦訳されていないこともあり,あらすじ程度しか知らないのですが,その知識でもなおかなりの部分が改変されていることが分かります。これはこれで問題はないのですけれどね。舞台は北宋の初期。北方の異民族国家である遼の侵略が本格化した時期にあたります。その戦乱の世の中で北宋に忠誠を貫いた楊一族の戦いと悲劇が描かれます。楊業の7人の息子たちの勇猛果敢な戦いぶりは素晴らしい。長男である楊延平の戦死を皮切りに六男である楊延昭以外の6人はいずれも戦場で散ることになります。個人的には弓術に長けた楊延安がお気に入りかな。原作通りなので仕方がない部分はあるのですが,七男の楊延嗣にあまり活躍の場が与えられなかったのは残念です。一方でその楊一族を両親の仇と狙い続ける遼軍の指揮官・耶律原の執念に満ちた戦いもたまりません。この人物は本作独自の設定であるように思います。楊一族に恨みを抱く北宋の潘仁美は原作通りの悪役としての扱いであります。味方であるはずの潘仁美に妨害され,孤立無援で遼軍の耶律原の追撃を受ける楊一族の戦いが殆どこの作品の全てといって良いでしょう。残念だったのは原作では楊家の女たちを率いて戦う,楊業の妻の余賽花があまり目立たなかったこと。楊女将の活躍も描いて欲しかったなあと思います。歴史映画というよりも戦闘アクションが主体の作品でありましたが,これはこれで十分に楽しめました。是非とも原作である『楊家将演義』の邦訳も期待したいものであります。
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2014年01月19日

鑑定士と顔のない依頼人

〈2014年映画感想1本目〉
鑑定士と顔のない依頼人
LA MIGLIORE OFFERTA
2013年 イタリア 124分
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
配給:ワーナー・ブラザーズ/ギャガ
出演:ジェフリー・ラッシュ,ジム・スタージェス,シルヴィア・フークス,ドナルド・サザーランド,フィリップ・ジャクソン,ダーモット・クロウリー,リヤ・ケベデ,キルナ・スタメル

 美術鑑定の世界を舞台としたミステリィ映画。ジェフリー・ラッシュが演じる辣腕の美術鑑定士ヴァージルが頑なに素顔を見せようとしない依頼人クレアとの出逢いから始まる不思議な恋物語が描かれます。しかし,終盤で状況は一変。事の真相は中盤あたりからある程度は予測出来ていたのですが,改めて序盤から振り返ると様々に胡乱な伏線が張ってあるのが楽しい。まあ,自分が同じ目に遭ったら,呆然とするだけでは済まないだろうけれども。ヴァージルとクレアの出逢いから心の触れ合いまでが丁寧に丹念に描かれているだけに最終盤の展開が実に効果的であろうかと思います。クレアの屋敷で発見された自動人形が物語の進展に沿って徐々にジム・スタージェス演じるロバートによって復元されて行くのは面白いのですが,その自動人形の口から事件の真相の一端が明かされる嫌らしさがたまりません。ヴァージルの心を捕えるクレア役のシルヴィア・フークスの美貌も非常に魅力的なのですよね。広場恐怖症によって外出出来ないという神秘性も無論その魅力を引き立てているのでしょうけれども。但し,一概に絶望的な終わり方と言えないのも本作の面白いところ。作中の言葉を借りるならば,本物以上に価値のある贋作というのも確かにあるのです。それをヴァージルが入手出来たかを観賞者に委ねる結末は上手いなあと思いました。割と酷いお話ですが,思わず物語に引き込まれてしまうのも事実。細部に気になる個所は幾つかありますが,素直に楽しむことの出来る作品でありました。物語を彩る数々の名画の登場も美術好きには嬉しかったです。
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2013年12月10日

エリジウム

〈2013年映画感想46本目〉


エリジウム
ELYSIUM
2013年 アメリカ 109分
監督:ニール・ブロムカンプ
配給:コロンビア映画
出演:マット・デイモン,ジョディ・フォスター,シャールト・コプリー,ヴァグネル・モーラ,アリシー・ブラガ,ディエゴ・ルナ,エマ・トレンブレイ,ブランドン・オーエット,ジョシュ・ブラッカー,ウィリアム・フィクナー

 『第9地区』で一躍その名を馳せたニール・ブロムカンプ監督によるSF映画。南アフリカにおける民族差別を地球人と宇宙人の関係に置き換えた『第9地区』同様に,本作でも貧困層が暮らす地球と富裕層が暮らす衛星軌道上の楽園エリジウムとの対比を行うことで格差社会における医療問題を取り上げているように思われます。但し,その試みが上手く行っているか否かにはいささか疑問が残るところ。前作の好評を受けて潤沢な資金と大物俳優の起用で話題性は充分となった本作ではありますが,肝心の舞台設定にあまり現実感がないのが残念。何と言うか,世界があまりにも小さく描かれ過ぎている気がするのですよね。地球とエリジウムの描写そのものは結構面白かったのですが,地球を支配するエリジウムがあまりにもあっさりと地上からの侵入者を許し,少人数で制圧されてしまうというのはやはり疑問が残ります。ジョディ・フォスターが演じるエリジウム防衛長官の冷徹非道ぶりは魅力的だったし,シャールト・コプリーが演じる残虐無道な傭兵も個人的にはたまらないものがありました。主人公マックス役のマット・デイモンの存在感も流石のもの。不慮の事故により被曝した後に手術によってその身に装着したエクゾスーツの凶悪ぶりも良かったです。そのマックスに協力する地球の闇商人スパイダー一家も楽しかった。ただ,物語としては悪くはないものの,それ程求心力がないのも事実。最後まで舞台設定に対する違和感を引き摺ったままであったように思います。前作が『第9地区』であったというのが本作の最大の不幸なのかもしれません。単体で見れば,SF映画としてはそれ程悪くない出来の作品であるかと思います。
posted by 森山 樹 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)