2013年12月09日

ウォーム・ボディーズ

〈2013年映画感想45本目〉


ウォーム・ボディーズ
WARM BODIES
2013年 アメリカ 97分
監督:ジョナサン・レヴィン
配給:サミット・エンターテインメント
出演:ニコラス・ホルト,テリーサ・パーマー,ジョン・マルコヴィッチ,デイヴ・フランコ,アナリー・ティプトン,コリー・ハードリクト,ロブ・コードリー

 ゾンビが蔓延する世界で出逢ったゾンビの青年と人間の少女の触れ合いを描いたゾンビ恋愛映画です。ゾンビと恋愛というのがまさか此処まで綺麗に結びつくとは思わなかった。ゾンビの青年の名前がR,人間の少女の名前がジュリーということからも要するに「ロミオとジュリエット」であることは容易に想像がつきますが,それが故に王道とも言うべき物語にゾンビが絡むことで新鮮味が増しているのも事実。まあ,ゾンビが徐々に人間化する理由は全く明かされなかったのが残念ではあります。とは言え,この御都合主義的な部分をさて置けば実に優れた恋愛映画ということが言えるでしょう。ゾンビと人間という相容れない存在だった筈のふたつがRとジュリーの心の交流を経て分かりあえる存在へと遷移する過程が素晴らしい。紆余曲折を経たからこその幸せな結末に美しさを感じます。ゾンビの青年という難しい役どころを演じたニコラス・ホルトの演技も光ります。その繊細で純粋な瞳がたまらなく素敵。徐々に人間らしさを取り戻していく様子もいいですね。そのニコラス・ホルトが演じるRと恋に落ちるジュリー役はテリーサ・パーマー。今時の女の子らしい魅力に溢れています。結構活動的なところも個人的には好み。但し,ゾンビの本能に従っただけとはいえ,恋人を殺害したRと恋に落ちるというのは理解し難い部分もありますけれども。まあ,その事実を知った時には既に恋に落ちていたから仕方ないのかな。ジュリーの父親で対ゾンビ司令官を演じるジョン・マルコヴィッチもこの手の妄執的な人物が良く似合います。配役には概ね満足かな。ゾンビと恋愛との融合が此処まで上手くいくとは思いませんでした。割と牽強付会な感もありますが,丸く収まった結末も個人的には大満足。期待以上に楽しめる作品でありました。
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2013年12月08日

キャプテンハーロック

〈2013年映画感想44本目〉


キャプテンハーロック
2013年 日本 115分
監督:荒牧伸志
配給:東映
声の出演:小栗旬,三浦春馬,蒼井優,古田新太,福田彩乃,森川智之,坂本真綾,沢城みゆき,小林清志,大塚周夫

 松本零士の原作のCGアニメーション映画化作品。なお,原作及び過去の映像化作品については殆ど触れたことがないので自分には比較することは出来ません。通り一遍の設定程度は知っているけれどね。その観点からすると違和感は残るもののそれなりに面白かった。物語としても,新たなハーロックの誕生譚として綺麗にまとまっています。CGは実に美麗。但し,何処となく〈ファイナルファンタジー〉シリーズを想起させるのは気のせいか。CGを突き詰めていくと似たような表現になるのかもしれないけれども,〈ファイナルファンタジー〉シリーズ最新作の映像だと言われた方が納得出来たように思えます。それが悪いというわけではないけれど,独創性には欠けたなあという印象。また,少年の憧れとして自由を愛する完全無欠な宇宙海賊としての姿ではなく,過去の罪に苦悩し贖罪だけを求める存在としてのハーロックは自分の中のハーロック像とは全く異なります。このあたりは時代性に合わせたということですが,余計な発想だったのではないかなあという気がします。まあ,今作のハーロックが原作における本人とは限らないわけですけれども。事実上の主人公であるヤマとその兄イソラ,そしてイソラの妻ナミとの関係は良くも悪くも平凡にして王道。ハーロック麾下のヤッタランやケイは見せ場が多くて楽しかった。特にヤマの教育係でもあるケイの活動的な戦闘美女ぶりは魅力的でした。アルカディア号の機関部と一体化した存在であるミーメの異星人ぶりも素敵。或いはだからこそアルカディア号が有機的な造形となっているのかもしれません。俳優が多く起用された声優陣もあまり違和感はなかったかな。過去作品との比較をしないという観点からは素直に楽しめました。逆に言えば,過去作品との比較が可能であれば,評価が一変することは充分にあり得ます。良くも悪くも今時のSFアクション映画としては悪くない出来だったと思います。
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2013年12月07日

ウルヴァリン:SAMURAI

〈2013年映画感想43本目〉


ウルヴァリン:SAMURAI
THE WOLVERINE
2013年 アメリカ/オーストラリア 126分
監督:ジェームズ・マンゴールド
配給:20世紀フォックス
出演:ヒュー・ジャックマン,TAO,福島リラ,真田広之,スヴェトラーナ・コドチェンコワ,ブライアン・ティー,ハル・ヤマノウチ,ウィル・ユン・リー,ファムケ・ヤンセン,イアン・マッケラン,パトリック・スチュワート

 マーベル・コミックを原作とした〈X-MEN〉シリーズの第6作目であり,その中の登場人物ウルヴァリンを主人公に据えた第2作目の映画でもあります。但し,『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の直系の続篇ではないというのが複雑。まあ,それ程気にすることはないのですけれども。日本を舞台にしたウルヴァリンの活躍が描かれます。何処か勘違いをした日本の情景が実に素敵。確信犯として演出しているのかは議論が分かれるところでありましょう。Dr.グリーンによって不老不死の力を奪われたていたとはいえ,走行する新幹線上でウルヴァリンを苦戦させるヤクザの下っ端の健闘が印象深いです。また,東京近郊に長崎があり,或いは雪で閉ざされた悪の巣窟があるという地理関係にも違和感がありますが,このあたりは些細なことと眼をつぶる必要があるでしょう。真田広之が演じるシンゲン・ヤシダの存在感も素晴らしい。今回のヒロインであるマリコ・ヤシダ役のTAOとユキオ役の福島リラも目立っていました。ウルヴァリンとマリコが恋に陥るあたりの展開は書き込み不足な気がしますけれどね。攫われたマリコを救う為にヴァイパーの正体を現したDr.グリーンや強化装甲を着込んだシルバーサムライとウルヴァリンとの激闘は素直に楽しかったです。物語の整合性はともかくとして,外連味に溢れた頓知気な展開は爽快感さえ感じます。とは言え,個人的には『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』の続篇としての方向性で進めて欲しかったなあ。単発の作品ということであれば,全く問題なく楽しめてはいるのですけれどね。最後にマグニートーとプロフェッサーXが登場するお約束も含めて十分に満足できる作品でありました。
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2013年12月03日

ワールド・ウォーZ

〈2013年映画感想42本目〉


ワールド・ウォーZ
WORLD WAR Z
2013年 アメリカ/イギリス 116分
監督:マーク・フォースター
配給:パラマウント映画/東宝東和
出演:ブラッド・ピット,ミレイユ・イーノス,ダニエラ・ケルテス,ジェームズ・バッジ・デール,ファナ・モコエナ

 世界各地で突如発生したゾンビによる人間襲撃を食い止める為に奔走する男の姿を描くSFパニック・ホラー・映画です。予告篇の段階では一言もゾンビという言葉が使われていないのが,配給会社の姑息な戦略が見え隠れしてちょっと不愉快ではありましたが,作品そのものは素直に楽しむことが出来ました。原作小説好きからの評判は芳しくありせんでしたが,原作を未読の自分には比較する術がなかったことも或る意味では幸いだったのかもしれません。家族の安全を確保する為に世界各地を戦い抜くブラッド・ピット演じるジェリーの姿が印象的でありましたが,何と言っても映画史上で最も活動的かつ能動的に人間を襲うゾンビたちが素晴らしい。特に中盤のイスラエルで対ゾンビ防護壁を乗り越えてくる無数のゾンビたちがたまらないものがありました。今作におけるゾンビはウイルス感染によるものという設定ですが,このゾンビ化ウイルスへの対処法は意外性があって面白かった。但し,前述のイスラエルを埋め尽くす無数のゾンビの襲撃が圧倒的な迫力であったのに対して最終盤はゾンビによって占拠された研究所への潜入という小さい規模になってしまったことによる爽快感の欠如が残念でありました。それなりの緊張感はあったのですけれどね。また,研究所内でのあまりにもご都合主義的な展開も個人的にはちょっと醒めるものを感じます。このあたりは本来構想されていた終盤の展開を事情により実現出来なかった弊害でもあるのでしょうけれども。何はともあれ,ゾンビ映画好きとしては割と楽しむことが出来ました。続篇が企画されているらしいのも楽しみです。
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2013年11月28日

ホワイトハウス・ダウン

〈2013年映画感想41本目〉


ホワイトハウス・ダウン

WHITE HOUSE DOWN
2013年 アメリカ 131分
監督:ローランド・エメリッヒ
配給:コロンビア映画/ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント
出演:チャニング・テイタム,ジェイミー・フォックス,マギー・ジレンホール,ジェイソン・クラーク,リチャード・ジェンキンス,ジョーイ・キング,ジェームズ・ウッズ

 テロ組織に占拠されたホワイトハウスを舞台としたアクション映画。ジェームズ・フォックスが演じるソイヤー米国大統領を救出する為にホワイトハウスに潜入する大統領警護官を志望する警察官の活躍が描かれます。一般観光客がホワイトハウスを鑑賞中にテロ組織の襲撃を受けるという妙に現実感のある序盤の展開は結構好み。但し,実際にホワイトハウスが占拠された後はチャニング・テイタム演じる警察官ジョン・ケイルのひとり舞台。一気に娯楽性は高まるものの現実感は薄れてしまいます。ジョン・ケイルと行動を共にすることになるソイヤー大統領との掛け合いも軽くて緊張感を失わせている気がしてなりません。このあたりはちょっと残念だったかなあ。一方でジョン・ケイルの娘エミリーの意外な活躍が目立つのは面白かった。彼女が携帯電話で撮影した動画をwebに配信したことからテロリストの身元が判明し,最終的に人質もろともホワイトハウスを爆撃しようとした米空軍の戦闘機が寸前で攻撃を回避したのも彼女あってのこと。御都合主義的なものを感じざるを得ませんが,どうせ娯楽映画なら此処まで徹底するのも悪くないかと思います。エミリー役のジョーイ・キングは最近よく見る女優ですね。今後の彼女の活躍に期待したいものであります。ほぼ同時期に公開された『エンド・オブ・ホワイトハウス』と似たり寄ったりという感想が否めない作品でありました。後発である分,此方の方がやや不利かなあ。アクション映画としてはそれなりに面白く楽しんだのですけれどね。この類の作品が好きならば楽しめるのではないかと思います。
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2013年11月24日

スター・トレック イントゥ・ダークネス

〈2013年映画感想40本目〉


スター・トレック イントゥ・ダークネス
STAR TREK INTO DARKNESS
2013年 アメリカ 133分
監督:J.J.エイブラムス
配給:パラマウント映画
出演:クリス・パイン,ザカリー・クイント,ベネディクト・カンバーバッチ,カール・アーバン,ゾーイ・サルダナ,サイモン・ペグ,ジョン・チョー,アントン・イェルチン,ブルース・グリーンウッド,ピーター・ウェラー,アリス・イヴ

 2009年に公開されたJ.J.エイブラムス監督による『スター・トレック』の続編です。この作品以外の〈スター・トレック〉に触れたことがないので,このJ.J.エイブラムス版〈スター・トレック〉が今後の基準となっていくのでしょう。個人的には前作も結構楽しんだこともあり,今回も十分に楽しむことが出来ました。熱血なジェームズ・T・カークと冷静なスポックの対立と友情が素敵なのですよね。そして何よりもサイモン・ペグが演じるスコッティがたまらなく魅力的。やはりサイモン・ペグは大好きな俳優なのだなあと実感します。扱いがやや御都合主義にも感じますが,それは目を瞑るべきところなのでありましょう。今作の敵役であるカーン役はベネディクト・カンバーバッチ。冷凍睡眠から目覚めた優性人類の指導者としての圧倒的な能力が素晴らしい。彼の戦う理由は安易な悪役というわけではなく,寧ろ場合によっては同調し得るものなのですよね。このあたりは物語に深みを与えているように思います。カークやスポックだけではなくスコッティやウフーラ,マッコイといった脇役陣にも十分な見せ場が与えられているのが嬉しい。特にスコッティとマッコイは殆ど主役級の活躍でありました。また,仲間を助ける為にその身を投げ出すことも躊躇わないカークに批判的でありながら,そのカークが死亡すると怒りに我を忘れるスポックの姿が心に残ります。今後も対立しながら友情を深めていくことになるのでありましょう。新たな〈スター・トレック〉の第2作目として存分に楽しむことが出来た作品であります。更なる続篇を大いに期待したいもの。その期待が叶えられることを望みます。
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2013年11月21日

ローン・レンジャー

〈2013年映画感想39本目〉


ローン・レンジャー

THE LONE RANGER
2013年 アメリカ 149分
監督:ゴア・ヴァービンスキー
配給:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
出演:アーミー・ハマー,ジョニー・デップ,トム・ウィルキンソン,ルース・ウィルソン,ヘレナ・ボナム=カーター,ウィリアム・フィクナー,ジェームズ・バッジデール

 かつての人気ラジオドラマ,テレビドラマを原作とした西部劇アクションです。覆面をした孤高のヒーロー・ローンレンジャーとインディアンの呪い師トントの活躍が描かれます。というよりも,内容としては殆どローン・レンジャーの誕生譚といった意味合いの方が強いかな。正義感に満ちた検事のジョン・リードが悪漢ブッチとの戦いを経て悪と戦う無法者ローン・レンジャーとしての新たな旅立ちを迎えるまでが語られます。このあたりは定番と言えば定番ですが,王道であるが故の面白さがあるのも確かなこと。但し,序盤から中盤にかけて冗長な展開が続くことにはちょっと閉口しました。その代わりに最終盤での荒野を行く列車上での激闘は素晴らしく楽しかった。細かな笑いを挟みながらの悪党との息を吐かせぬ戦いは本作最大の見所でありましょう。トントを演じるのはジョニー・デップ。同じゴア・ヴァービンスキー監督による〈パイレーツ・オブ・カリビアン〉同様に茶目っ気のある魅力的な変人を実に楽しげに演じている姿が印象的でありました。この手の役回りをさせたら当代一といっても過言ではないのでしょう。彼に振り回されるジョン・リード役はアーミー・ハマーですが,此方は印象が薄い。生真面目な巻き込まれ型なので仕方がない部分はありますけれどね。個人的にはローン・レンジャーたちに協力する酒宿の女主人レッドを演じたヘレナ・ボナム=カーターがお気に入り。此方も派手で下品な格好させると映えますね。西部劇の様式美を現代風に生かした雰囲気は素直に好み。物語も意外性には欠けるものの悪くはありません。間延びした展開が興を削いだのは残念でありましたが,その分最終盤の疾走感に満ちた展開は大変楽しめた作品であります。
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2013年11月18日

パシフィック・リム

〈2013年映画感想38本目〉


パシフィック・リム
PACIFIC RIM
2013年 アメリカ 132分
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラヴィス・ビーチャム,ギレルモ・デル・トロ
配給:ワーナー・ブラザーズ
出演:チャーリー・ハナム,菊地凛子,イドリス・エルバ,チャーリー・デイ,ロバート・カジンスキー,マックス・マルティーニ,ロン・パールマン,芦田愛菜,バーン・ゴーマン,クリフトン・ゴリンズ・Jr

 ギレルモ・デル・トロ監督がその趣味の全てを全面的に押し出して製作したSF怪獣映画です。何と言うか,趣味が直撃する層にはたまらない映画でありましょう。無論,自分もその層の一員であります。深海の裂け目から外宇宙からの侵略者が送りこんだカイジューが出現するという設定は何処かH.P.ラヴクラフトの〈クトゥルー神話〉を想起させるもの。そのカイジューの攻撃に対抗する為に二足歩行の人型巨大兵器イェーガーをもって人類は対抗することになります。即ち,巨大ロボットと巨大怪獣が人類の存亡をかけて戦うというあまりに趣味的な物語が素晴らし過ぎます。カイジューやイェーガーの意匠も素敵に格好いい。劇中は暗い場面が続き,且つイェーガーとカイジューの戦いが激し過ぎる為に落ち着いてその意匠を楽しめないのはやや残念でありました。自己犠牲的な作戦により人類の滅亡を阻止するというのも個人的にはあまり好みではないかなあ。王道だし,確かに燃えることは燃えるのだけれどもね。それよりも主人公のローリーが機知と度胸で常に生きる為の施策も模索する姿の方に美しさを感じました。登場人物はいずれも好みなのですが特に好きなのがニュートとハーマンの科学者ふたり。喜劇的な立ち位置の彼らの活躍がカイジューの侵略を阻止する劇的な案を生み出したというのが格好いい。ヒロインである森マコ役の菊地凛子も見せ場は充分。敢えてたどたどしく日本語を話す理由が切ないです。香港の闇商人ハンニバル・チャウの胡乱な格好良さもたまらないよなあ。イェーガーの操縦者よりもこういった脇役の存在感が素敵でありました。何はともあれ,劇場へ二度も足を運ぶほどにお気に入りの作品であります。このような素晴らしい作品を楽しめることを感謝したいもの。続篇の制作も大いに期待したいものであります。字幕版も吹替版も共に素晴らしい出来でありましたが,今作に限って言えば吹替版のほうが楽しめたように思います。心底絶賛出来る作品でありました。
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2013年11月17日

劇場版仮面ライダーウィザード

〈2013年映画感想37本目〉


劇場版仮面ライダーウィザード
2013年 日本 62分
監督:中澤祥次郎
脚本:香村純子
配給:東映
出演:白石隼也,奥仲真琴,戸塚純貴,高山侑子,永瀬匡,小倉久寛,忍成修吾,陣内孝則

 9月までTV放映されていた特撮番組『仮面ライダーウィザード』の劇場版作品です。今作はあくまでも『仮面ライダーウィザード』の劇場版ということで他の特撮番組からの客演がないのは素直に嬉しい。やはり,『仮面ライダーウィザード』は『仮面ライダーウィザード』としての単独作品で楽しみたいのです。お祭り作品としての〈仮面ライダー〉や〈スーパー戦隊〉との交流を否定するわけではないですけれどね。劇場版ということで普段の戦いとは異なり,住民全てが魔力を有する並行世界が今作の舞台となります。本篇では変身する機会のなかった瞬平や凛子が仮面ライダーに変身するのは素直に楽しい。その一方で晴人と共に元の世界から並行世界に迷い込んだコヨミは変身しないのは残念でありました。また劇場版独自の仮面ライダーとして仮面ライダーソーサラーが登場。陣内孝則演じるオーマ大臣の不穏な演技と相まって不気味な存在感を漂わせています。勿論,仮面ライダービーストも登場。本篇とはまた違った立ち位置で楽しませてくれるのが嬉しい。ファントム側ではメデューサ,フェニックス,グレムリンが登場しますが端役止まりといった印象は否めず。尤も,久々に姿を見せたフェニックスが懐かしく思えました。物語としては可もなく不可もなくといった印象かなあ。魔力に欠けるマヤ大王の悩みに付け込んだオーマ大臣の野心という軸も含めて王道展開であります。全てが丸く収まった結末は素直に好みかな。あくまでも番外篇という本来の立ち位置である劇場版に相応しい作品でありました。
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2013年11月16日

劇場版獣電戦隊キョウリュウジャー

〈2013年映画感想36本目〉


劇場版獣電戦隊キョウリュウジャー
2013年 日本 29分
監督:坂本浩一
脚本:三条陸
配給:東映
出演:竜星涼,斉藤秀翼,金城大和,塩野瑛久,今野鮎莉,丸山敦史,中村静香,桃瀬美咲佃井皆美,森川智之,菅生隆之,戸松遙,宮野真守,折笠愛

 現在放映中の特撮TV番組『獣電戦隊キョウリュウジャー』の劇場版作品です。最近は他の〈スーパー戦隊〉や或いは〈仮面ライダー〉,〈メタルヒーロー〉との共演作品が多かったので単独の〈スーパー戦隊〉による映画はかえって新鮮に思えました。共演作品はどうしても個々の〈スーパー戦隊〉や〈仮面ライダー〉に当てられる焦点が少なくなってしまうので,印象が暈けてしまうことが多いのですよね。お祭り作品としてならば問題はないのでしょうけれど,多用されると食傷気味になってしまいます。本作はいつも通りの〈スーパー戦隊〉作品に仕上がっています。尺が短いので,TV放映される通常版をやや拡大した形と言えばよいのでしょうか。悪のキョウリュウジャーとも言えるデスリュウジャーの登場もあり,なかなか楽しめました。ただ,如何せん『獣電戦隊キョウリュウジャー』のノリ自体が自分には厳しいものがあるのですよね。子供向けの番組を楽しませて貰っている立場ですから,特に不満はないのですけれども。なお,そのデスリュウジャーの配下として戦うレムネアとアーシーのディノガールズはなかなか魅力的でありました。また,ヒロインである天野美琴とキョウリュウレッドこと桐生ダイゴとの仄かな浪漫も印象的。そして,この劇場版のお話が後に本篇にも関わってくるというのが面白かったです。その意味でも正統派の劇場版と言えるのではないでしょうか。まあ,物語的には薄いけどね。時間を考えれば仕方ないところでありましょう。
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2013年11月13日

牙狼外伝 桃幻の笛

〈2013年映画感想35本目〉


牙狼外伝 桃幻の笛
2013年 日本 61分
監督:大橋明
脚本:雨宮慶太,藤平久子
配給:東北新社
出演:佐藤康恵,松山メアリ,津田寛治,瀧内公美,大野未来,柴本優澄美,倉貫匡弘,高橋ひとみ

 特撮TV番組〈牙狼〉のスピンオフ作品の第2作目。本篇である『牙狼』のTV版は全く見ていないのですが,劇場版は『呀−KIBA−〜暗黒騎士鎧伝〜』以外は欠かさずに鑑賞しています。特に今作は『牙狼 RED REQUIEM』で印象的な活躍を見せた女魔戒法師の烈花が主人公のひとりというのが嬉しい。同じく女魔戒法師の邪美と共に桃幻の笛を巡る戦いに巻き込まれます。烈花を演じる松山メアリの魅力は相変わらず素晴らしい。今作はアクション場面が主体のドラマ作りという構想に基づいている為にほぼ全篇に渡って美女たちによる戦いが繰り広げられます。女性ならではの華やかさと艶やかさ,そして凛々しさに心惹かれてなりません。邪美と烈花と共に場面を彩る阿妓と麻妓の存在もなかなかに印象的。特に阿妓を演じた瀧内公美はかなり好みですね。ゴシック・ロリータ調の衣装をまとった麻妓役の大野未来も悪くなかったかなあ。但し,アクション場面はかなり楽しめたにも関わらず物語としてはやや面白さに欠けた印象は否めません。『牙狼 蒼哭ノ魔竜』でも同様に感じたのですが,やはり個人的には『牙狼 RED REQUIEM』の様に街を舞台とした作品のほうがより映えると思うのですよね。尺もそれ程長くない作品なので仕方のない部分はありますが,もう少し物語も凝って欲しかったなという感慨はあります。烈花の関係者であるケンギやシグトの登場は良かったけれどね。更にスピンオフ作品を続けるのであれば,物語性も重要視して欲しいなあと思いました。尤も〈牙狼〉好きとしてはそれなりに満足の作品ではあります。
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2013年11月10日

サイレントヒル:リベレーション

〈2013年映画感想34本目〉


サイレントヒル:リベレーション
SILENT HILL: REVELATION
2012年 カナダ/フランス/アメリカ 94分
監督:マイケル・J・バセット
脚本:マイケル・J・バセット
配給:オープン・ロード・フィルムズ/ライオンズゲート/プレシディオ
出演:アデレイド・クレメンス,キット・ハリントン,ショーン・ビーン,キャリー=アン・モス,マルコム・マクダウェル,マーティン・ドノヴァン,ラダ・ミッチェル,デボラ・カーラ・アンガー

 同名のゲームを原作としたホラー映画の第2作目。原作ゲームは殆ど遊んだことがない上に映画版の前作も鑑賞していないので,いまいち設定が分からない部分があったのは残念。但し,同じ系統に位置するであろう『バイオハザード』よりもホラー映画色が強かったのは嬉しかった。『バイオハザード』は『バイオハザード』で大好きな作品ではあるのですけれどね。日常に忍びよる非日常の影,そしてサイレントヒルでの奇怪な冒険はホラー映画の常套として素直に楽しみました。結構な重要人物かなあと思っていた私立探偵ダグラス・カートランドが序盤であっさりと退場したのは少し唖然としましたけれど。主人公である少女ヘザー・メイソンと冒険を共にする少年ヴィンセント・スミスとの因縁も王道として楽しい。葛藤せざるを得ない恋というのはやはり娯楽の定番かと思われます。物語としては前作を鑑賞していないと説明不足に思える点があるのは残念。但し,特にサイレントヒルの跋扈する異形の造型は非常に好みでありました。マネキン・モンスターの生理的嫌悪感は秀逸。レッド・ピラミッドとミショナリーによる異形同士の戦いも見応えがありました。異界に取り残された妻ローズを取り戻す為にサイレントヒルに留まる決断をしたハリーも素敵。原作の雰囲気を云々言うことは自分には出来かねますが,一個のホラー映画としては素直に楽しめる作品であったかと思います。前作も機会があれば鑑賞するつもりです。
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2013年11月08日

ワイルド・スピードEURO MISSION

〈2013年映画感想33本目〉


ワイルド・スピードEURO MISSION
FAST&FURIOUS 6
2013年 アメリカ 130分
監督:ジャスティン・リン
脚本:クリス・モーガン
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/東宝東和
出演:ヴァン・ディーゼル,ポール・ウォーカー,ジューダナ・ブリュースター,ミシェル・ロドリゲス,ドウェイン・ジョンソン,サン・カン,ガル・ガドット,エルサ・パタキー,ルーク・エヴァンス,ジーナ・カラーノ

 過激なカー・チェイスを主軸としたアクション映画〈ワイルド・スピード〉シリーズの第6作目。舞台を欧州に移し,ドミニク・トレットとブライアン・オコナー一味の活躍が描かれます。また,前作から登場のルーク・ホブスも主役のひとりとして存在感を発揮。FBI特別捜査官としてドミニクやブライアンとは異なった立ち位置からの活躍を見せてくれます。勿論,エルサ・パタキー演じるエレナも再登場。特に今作は『ワイルド・スピードMAX』及び『ワイルド・スピードMEGA MAX』との関連性が強い作品でありますので,この2作は事前に鑑賞していた方がより楽しめることでありましょう。一番の注目点は『ワイルド・スピードMAX』で死亡した筈のレティ・オルティスが復活すること。ミシェル・ロドリゲス好きとしては嬉しい。その強烈で強靭な強さを如何なく披露してくれます。まあ,生きていた理由は御都合主義的ではありますけれども。見せ場であるカー・チェイスは今作でも充分に楽しめます。特に今回は対戦車或いは対飛行機というカー・チェイスまで用意されており,飽きさせません。ルーク・エヴァンス演じるオーウェン・ショウも敵としての魅力を存分に見せてくれました。〈ワイルド・スピード〉好きならば問題なく,というよりも,これまで以上に楽しめる作品かと思います。残念だったのはドミニク一味から遂に犠牲者が出てしまったということ。それもかなり好きな人物だったので次回作以降見られないのは悲しいです。そして,エンドロール後には更なる衝撃の展開がありました。次の敵はジェイソン・ステイサムになる模様。早く鑑賞したいものであります。
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2013年10月29日

劇場版銀魂完結篇

〈2013年映画感想32本目〉


劇場版銀魂完結篇
2013年 日本 110分
監督:藤田陽一
脚本:大和屋暁
配給:ワーナー・ブラザース映画
声の出演:杉田智和,阪口大助,釘宮理恵,雪野五月,石田彰,千葉進歩,中井和哉,鈴村健一,折笠富美子,小林ゆう,甲斐田裕子,南央美,子安武人,山寺宏一,神谷明

 完結篇と銘打たれたアニメ版『銀魂』の劇場版第二作目。如何にも『銀魂』らしい悪辣な笑いと過激な下ネタ,そして燃える展開と泣かせる物語に溢れる作品でありました。出落ちキャラかと思われた映画泥棒があそこまで重要な存在を担うというのが面白い。物語の構成としてはやや複雑ではありますが,過去と未来との交錯が過不足なく描かれておりました。登場人物も完結篇の名に相応しく常連陣は総登場。不満があるとすれば,高杉を除く鬼兵隊や神威,或いは見廻り組の佐々木異三郎と今井信女の登場がなかったということ。特にサブちゃんとのぶたすは大好きなキャラなので残念でありました。坂本辰馬と高杉も扱いとしてはごく僅かだけどね。成長した新八と神楽は素直に格好いい。どちらも銀時を彷彿とさせる装飾があるのが泣かせます。神谷明声のエリザベスの凶悪な存在感も素晴らしかった。病床にあるお妙とあやめ,月詠,九兵衛が交わす会話も心に沁みます。普段はお妙と犬猿の仲であるあやめの言葉だからこそ余計にね。物語としては少々詰め込み過ぎな感じはありますが,ある程度王道の物語と言えましょう。銀時と対峙する魘魅の正体は早い段階で分かってしまいましたけれども。魘魅の元へ銀時を辿りつかせる為に真選組と攘夷党,或いはお妙や月詠,長谷川さんたちが血路を切り開く最終決戦は熱かったです。前作『劇場版銀魂新訳紅桜篇』には及ばずとも十分に楽しめる作品でありました。白夜叉としての銀時の過去が描かれるのかという期待は外れてしまいましたけれどね。此方は原作で語られることを期待しましょう。何はともあれ,完結篇の名に相応しい綺麗にまとまった結末が素晴らしい作品だったように思います
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2013年10月27日

スプリング・ブレイカーズ

〈2013年映画感想31本目〉


スプリング・ブレイカーズ
SPRING BREAKERS
2013年 アメリカ 93分
監督:ハーモニー・コリン
脚本:ハーモニー・コリン
配給:A24/アナプルナ・フィルムズ/トランスフォーマー
出演:セレーナ・ゴメス,ヴァネッサ・ハジェンズ,アシュレイ・ベンソン,レイチェル・コリン,ジェームズ・フランコ,グッチ・メイン,ヘザー・モリス,ジェフ・ジャレット

 アメリカの女子大生たちの春休みの経験を描いた青春クライム映画。それなりに高い評価を受けているようですが,個人的にはあまり面白くなかった。何と言っても,物語があってないようなものというのが非常に辛い。尤も,物語をとやかく言う映画ではないように思います。遊ぶ金欲しさに強盗に入り,楽しいことを求めてギャングと関係を持つ,頭の悪い女子大生の姿がひたすらに描かれるだけの作品であります。陶酔的な映像と音楽はそれなりに楽しめたけれど,逆に言えば楽しめるのはそういった部分だけ。自分が映画という媒体に求める部分は全く醒めた視点で見つめるだけでありました。女子大生たちを留置所から解放したギャング役のジェームズ・フランコのいかれた演技は素晴らしかったけれどね。主人公たる4人の女子大生は頭の悪さはともかく見映えは素晴らしい。当初は主人公格であり,唯一聡明にも強盗に加わらなかったセレーナ・ゴメス演じるフェイスが途中で退場したまま戻ってこなかったことには唖然としましたけれど。いまいち登場人物の立ち位置が掴めなかったのですよね。その意味でも破格の作品と言えるかもしれませんが,個人的には王道を行く定型の作品にこそ美を感じてしまいます。或る意味で想像通りの頭の悪いアメリカ女子大生を描いた作品と言えるのでしょうか。肉感的なアメリカ美人の艶やかな姿を拝めたことだけが唯一の収穫でありました。
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2013年10月25日

ファインド・アウト

〈2013年映画感想30本目〉


ファインド・アウト
Gone
2012年 アメリカ 94分
監督:エイトール・ダリア
脚本:アリソン・バーネット
配給:サミット・エンターテインメント/ショウゲート
出演:アマンダ・サイフリッド,ジェニファー・カーペンター,ダニエル・サンジャンタ,セバスチャン・スタン,ウェス・ベントリー,キャサリン・メーニッヒ,エミリー・ウィッカーシャム,マイケル・パレ

 連続女性失踪事件に巻き込まれた妹の行方を追う女性の姿を描いたサスペンス・スリラー映画です。主演のアマンダ・サイフリッドをお目当てに鑑賞した作品ですが,不満は多いながらも意外に楽しめました。かつて自らが拉致監禁され,妹が同一の犯人によるものと思われる失踪事件に巻き込まれた姉の姿を好演しています。特に後半の鬼気迫る描写はこれまでのアマンダ・サイフリッドには見られなかったもの。その美貌故に更に凄惨さを増しているように思います。但し,ミステリィとしてはやはり突っ込みどころが多いのは残念。アマンダ・サイフリッド演じるジルを虚言癖の妄想狂として扱ってまともに捜査を行わない警察が屑過ぎます。アメリカの警察事情は知る由もありませんが,流石に此処まで酷くはないのではないかなあ。そんな警察の中で唯一ジルに好意的だったウェス・ベントリー演じるピーター・フード刑事も思わせぶりな立ち位置だったにも関わらず結局は特段の見せ場を与えられず。いまいち存在感が謎のままに終わっています。唯一の友人であるジェニファー・カーペンター演じるシャロンの協力を仰ぎながら,結局はジルが独力で妹を拉致した犯人を追い続ける物語なのですよね。それはそれで悪くはないのですが,もう一捻り欲しかったところであります。後半の高まる緊張感は素直に魅力的でありましたけれども。個人的にはアマンダ・サイフリッドの美貌を存分に堪能出来ただけで十分に満足でありました。
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2013年10月22日

アフター・アース

〈2013年映画感想29本目〉


アフター・アース
AFTER EARTH
2013年 アメリカ 100分
監督:M.ナイト・シャマラン
脚本:M.ナイト・シャマラン,ゲイリー・ウィッタ
配給:コロンビア映画
出演:ウィル・スミス,ジェイデン・スミス,ソフィー・オコドネー,ゾーイ・イザベラ・クラヴィッツ,ジェイデン・マーティン,グレン・モーシャワー,デヴィッド・デンマン

 自然環境が破壊され人類の居住できない惑星になった地球に不時着した父子の冒険と戦いを描いたSFアクション映画です。監督はM.ナイト・シャマランですが,彼の色はかなり薄め。寧ろ,ごく普通に堅実で面白みのない映画になってしまっていました。良くも悪くもこれまでの作品では感じた個性というものを全く感じなかったのは残念です。逆に主演を張るウィル・スミスとジェイデン・スミスのふたりの印象はかなり強い。原案から製作までの指揮を取っていたのだから当然と言えば当然なのでありますが,結局のところ本作はシャマラン映画ではなくて,ウィル・スミス映画ということに尽きるのでありましょう。環境破壊の果てに奇怪な生物が支配するようになった地球の姿は興味深い。但し,地球であるという必然性が感じられなかったのも事実。別の惑星に不時着しても物語としては成立するのですよね。地球を舞台とする説得力にははっきりと欠けておりました。一方で英雄である父サイファと高い能力を秘めながら若さ故に暴走しがちな息子キタイの対比は面白い。不時着時の事故で負傷したサイファからの無線指示だけで単独行動を余儀なくされるキタイの冒険が物語の中心となります。人類抹殺生物兵器アーサの追撃と生命維持の為の医薬品の残量というふたつの要素が緊迫感を高める展開は王道であるが故に効果的かなあ。アーサは人類の恐怖に反応するという性質なのでキタイが恐怖を克服して一人前の男に成長するという障壁にも最適でありましょう。御都合主義的ではありますが。結局のところ,それなりに楽しめはするのだけど,それ以上の感慨を抱かない作品でありました。もう少し,いい意味でも悪い意味でも突き抜けたものが欲しかったなあ。娯楽映画としては悪くないと思います。
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2013年10月20日

エンド・オブ・ホワイトハウス

〈2013年映画感想28本目〉


エンド・オブ・ホワイトハウス
OLMPUS HAS FALLEN
2013年 アメリカ 120分
監督:アントワーン・フークア
脚本:クレイトン・ローテンベルガー,カトリン・ベネディクト
配給:フィルム・ディストリクト/アスミック・エース
出演:ジェラルド・バトラー,アーロン・エッカート,モーガン・フリーマン,リック・ユーン,アンジェラ・バセット,アシュレイ・ジャッド,メリッサ・レオ,ロバート・フォスター,ラダ・ミッチェル

 北朝鮮のテロリストに占拠されたアメリカ大統領官邸ホワイトハウスを舞台としたアクション・スリラー映画です。あのホワイトハウスが急襲を受け占拠される画面はなかなか衝撃的。現実的にはあそこまで容易く占拠されることはないと思うのですが,不可侵である筈のアメリカ本土が直接攻撃を受けるという嫌な現実感を覚えてしまいます。物語としては基本的に元シークレット・サービスのジェラルド・バトラーが大暴れ。テロリストが占拠するホワイトハウスから大統領の息子の救出とテロリストの殲滅をほぼ単独で成し遂げてしまいます。このあたりは流石に荒唐無稽だけれども,娯楽映画としては緊張感に満ちていて素直に楽しい。アメリカ国防総省と極秘に情報のやり取りを行いながら作戦行動を完遂する姿が実に格好良いです。但し,物語に突っ込みどころが多いのも事実。とは言え,純粋な娯楽映画として目くじらを立てる必要性は全くありません。燃やされた星条旗が随所に映る演出にややプロパガンダとしての意図を感じてしまいますけれども。ホワイトハウスへの爆撃や派手な銃撃戦などアクション映画としては正統派で楽しめます。物語の性質上仕方がないことではありますが,やや残虐な場面が多かったことには辟易しましたけれど,それは覚悟しての鑑賞なので問題ありません。大統領夫人を救えなかった過去を持つジェラルド・バトラーとアメリカ大統領役のアーロン・エッカートの友情も素直に楽しむことが出来ました。個人的にはそれなりに満足の作品であります。
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2013年10月18日

グランドマスター

〈2013年映画感想27本目〉


グランドマスター
一代宗師
2013年 香港・中国・フランス 123分
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ゾウ・ジンジ,シュー・ハオファン,ウォン・カーウァイ
配給:ギャガ
出演:トニー・レオン,チャン・ツィイー,チェン・チェン,マックス・チャン,ワン・チンシアン,ソン・ヘギョ,チャオ・ベンシャン,シャオ・シェンヤン

 日中戦争前夜の中国を舞台とした伝説的な拳法家たちの運命の交錯を描いた功夫伝記映画です。鑑賞前は割とありがちな功夫アクション映画だと思っていたのですが,蓋を開けてみれば寧ろ伝記映画としての側面の方が色濃く出ていたように思います。主人公はブルース・リーの師としても名高い葉問。中国拳法の統一を使命とした彼を中心とした全篇功夫アクションという期待は裏切られましたが,拳法家たちの軌跡を描いた伝記映画としては非常に楽しめました。予想とは違いましたが,功夫アクションはそれなりに多く見どころは充分。何よりも八卦掌の達人である宮若梅と日本軍に寝返った馬三との決闘は秀逸。雪が舞い散る中での死闘に加えて,鉄道の駅が戦場となることでの仕掛けがたまらなく楽しい。何と言っても戦いの見せ方が非常に上手いのですよね。このあたりは存分に満足いたしました。如何にも宿命の敵であると思われた馬三が葉問と一度も拳を交えることがないという物語は謎でありましたけれども。如何にも曰くありげに登場したカミソリこと一線天に至っては物語の根幹に微塵も絡むことがないという潔さ。何の為に登場したのかさっぱり分かりません。何はともあれ,宮若梅役のチャン・ツィイーの凛とした美しさと葉問役のトニー・レオンの骨太な格好良さは素晴らしいものがありました。事前の期待とは異なる印象ではありますが,それはそれとして楽しめた作品ではありました。要するに予告篇の作り方に問題があったのかなあと思います。
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2013年10月14日

G.I.ジョー バック2リベンジ

〈2013年映画感想26本目〉


G.I.ジョー バック2リベンジ
G.I.Joe:Retaliation
2013年 アメリカ 110分
監督:ジョン・チュウ
脚本:レット・リース,ポール・ワーニック
配給:パラマウント映画
出演:ドウェイン・ジョンソン,ブルース・ウィリス,チャニング・テイタム,イ・ビョンホン,レイ・パーク,エイドリアンヌ・パリッキ,D.J.コトローナ,レイ・スティーヴンソン,アーノルド・ヴォスルー,エロディ・ユン

 2009年に公開された『G.I.ジョー』の続篇。とは言え,方向性はかなり違う気がします。何と言っても,前作で堂々の主演を張ったチャニング・テイタム演じるデュークが早々に舞台から退場するのが衝撃的。事前に情報を全く得ていなかったので唖然としてしまいました。また,スカーレット役のレイチェル・ニコルズに到っては登場すらしません。変わって主人公となるのはドウェイン・ジョンソンが演じるロードブロック。まあ,前作でも強烈な活躍を見せたイ・ビョンホンが演じるストームシャドウも今作ではほぼ主役の一角を担っています。そして,何よりも先代G.I.ジョーとして登場のブルース・ウィリスの存在感が大きい。あくまでも指揮官ということで戦闘に積極的に参加するわけではないというのが救いでしょうか。物語としては前作の設定を引き継いでいるのに主役が無意味に交代する理由は不明。そして,それがいい方に働いていないというのが残念です。全体的には前作よりも馬鹿度は低下し,普通のアクション映画になってしまった感があります。ストームシャドウを巡ってスネークアイズやジンクスが謎の修行場で激戦を繰り広げるあたりは結構頭が悪くて楽しめましたけれども。単発的な見せ場は多かったのでそれなりに楽しむことは出来ました。しかし,個人的にはやはり前作から直接的に繋がる正統派の続篇を見たかったように思います。次回作も用意されているみたいだけど,今度はどういう路線で行くのでしょうか。いっそのこと,イ・ビョンホン主役でもいいかもしれないけれどね。何処か中途半端で不満感が残る作品でありました。
posted by 森山 樹 at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想(映画館)